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■■■ 古代の都 [2018.10.21] ■■■
[20] 石上穴穂宮

20代 穴穂御子安康天皇の宮は石上穴穂宮。
御陵は菅原伏見岡。56歳で崩御。

11代天皇の御子印色入日子命は、石上神宮に横刀1,000口を奉納し宮として、河上部を制定とあるが、その石上神宮近隣に宮を構えたのであろう。
場所は初瀬川の下流側@天理の支流にあたる。
  ・布留川[石上神宮]◆20,◆24
    −西門川
  ・纏向川[巻向山西]◆
  ・三輪川[三輪山]◆
  ・烏田川
  ・(最上流山岳部)[初瀬〜.原辺りの山地]◆
尚、桜井線西の平地に穴穂神社@田町があるが、布留川用水が潤すこの地域の鎮守 貴船社を明治期に改称したもの。穴穂という名称にはそぐわない感じがする。しかし、山奥に宮があるとも思えないから、実態的にはここらが活動域であったのかも。

この天皇の系譜はなかなか示唆に富む。

天皇┬長田大郎女(大日下王の嫡妻)…皇后
┼┼《無》

[16]大雀命の御子 大日下王が詔に対して無礼だったとの讒言で殺してしまい、その嫡妻を皇后としたのである。
┼┼大雀命┬髪長比売
┼┼┼┼┼├─大日下王
┼┼┼┼┼└─若日下王…娶の詔([次代天皇]大長谷王子)
しかしながら、長田大郎女とは、同母の姉。木梨之軽王と軽大郎女/衣通郎女との関係と同じで、本来ならば禁忌。
先代天皇┬忍坂之大中津比売命(意富本杼王の妹)
┼┼┼┼├─木梨之軽王
┼┼┼┼├─長田大郎女
┼┼┼┼├─境之黒日子王
┼┼┼┼├─穴穂命⇒皇位継承
┼┼┼┼├─軽大郎女/衣通郎女
┼┼┼┼├─八瓜之白日子王
┼┼┼┼├─大長谷命⇒次の皇位継承
┼┼┼┼├─橘大郎女
┼┼┼┼└─酒見郎女
その因果なのかはなんとも言えぬが、父を殺されたことを知った皇后の連れ子が天皇の御頸を斬ってしまう。
┼┼大日下王┬長田大郎女
┼┼┼┼┼┼└─目弱王

先代からの繋がりで読めば、そんな風に感じるが、ことの発端は次代の婚姻で。それがもとで16代の唯一の御子と、御子無しの今上天皇が殺されたにすぎぬということでもある。

御陵は菅原伏見岡との名称だから、奈良盆地の北方西部にある、菅原之御立野中とされる宝来山古墳の近辺と想定されるが前方後円墳も岡も見当たらない。無理にあてるなら、北西側にある円墳 兵庫山古墳とするしかない。

┼┼↓秋篠川
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──○大和西大寺駅─○新大宮駅─○近鉄奈良駅
┼┼
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┼┼ ←尼ケ辻駅
 ←宝来山古墳=菅原之御立野中陵◇11
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┼┼│卍 ←唐招提寺
┼┼ ←西ノ京駅
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┼┼ ←九条駅
┼┼└────┤
┼┼┼┼┼┼┼┼↑佐保川
【鉄道駅名】[→]

   表紙>
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