→INDEX ■■■ 「古事記」解釈 [2022.4.11] ■■■ [465]太安万侶式訓読 音素文字による訓読の割注はそれなりの数に上る。・・・ 訓高下天云阿麻 訓常云登許 訓常立亦如上 訓立云多多志 訓鳴云那志 訓生云宇牟 訓別云和氣 訓天如天(2回) 訓石云伊波 訓風云加邪 訓木以音 訓分云久麻理 訓土云豆知 訓惑云麻刀比 訓金云迦那 訓漏云久伎 訓奧云於伎 訓禍云摩賀 訓上云宇閇 訓板擧云多那 訓食云袁須 訓入云能理 訓建云多祁夫 訓陰上云富登 訓集云都度比 訓金云加尼 訓八尺云八阿多 訓垂云志殿 訓小竹云佐佐 訓壯夫云袁等古(類似あり) 訓鳴云那留 訓柴云布斯 訓凝姻云州須 訓鱸云須受岐 訓香木云加都良 訓壯夫云遠登古 訓波限云那藝佐 訓葺草云加夜 雲…訓云具毛 訓蜻蛉云阿岐豆 訓石如石 ≪土≫ 訓土云 國土 土左國…これは音。 ≪石≫ 訓石云 鳥之石楠船 ≪芳≫ 文字上では、大宝律令で <は>の読みは、なんといっても、≪齒≫と≪葉≫だろう。いかにも、日本語のルーツの基本語彙の香りを放っているし。 御齒長一寸廣二分の水齒別命が目立つし、以其御齒可知<御齒者如三技押齒坐也>という記載も。他に、道之長乳齒神 蝮之水齒別命 市邊之忍齒王/押齒王も登場。 葉は一般的なLeafと云う訳ではない。・・・ 天香山之小竹葉 在甜白檮之前葉廣熊白檮 餝青葉山 如青葉山者 裹其竹葉 令 詛言:「如此竹葉青 如此竹葉萎」 其百枝槻葉落浮於大御盞 其不婇知落葉浮於盞・・・其浮盞之葉 このような言葉は大事にしている筈で、この2字はあくまでも訓の<は>であって、翻訳文字としての扱いである。音素文字<は>にする気はおきなかったと思う。 これに次ぐのが≪羽≫だが、意味がありそうな、なさそうな印象を与えるので、扱いが読み取れない。(e.g. 羽山津見神) 音素文字としては≪波≫が当たろう。使用例の数が違うから、確実である。そして、濁音が≪婆≫(音:バ 訓:ばば)。・・・ 片仮名ハ(八) 平仮名は(波) 「古事記」波 者 羽 歯 葉 (婆) 石 土 ⇒バ…者 婆 羽 (葉) (之) (波) 確かに、濁音では書きにくい箇所もあるから清音も使うとの整理は、わからぬでもないものの。(伊麻許曽婆 今こそば) 但し≪者≫については、<は>扱いするといっても、音素文字とは役割がことなるので、別扱いすべきだと思う。 (C) 2022 RandDManagement.com →HOME |