→INDEX ■■■ 「古事記」解釈 [2022.5.1] ■■■ [485]"等"の訓は自由か ≪等[⺮+寺]≫ 【語源】斎(相同)⇒春秋分-晝夜⇒品級/種類 数詞(複数 列挙不尽) [呉音]トウ タイ [漢音]トウ タイ [訓]ひと-しい など/なんど ら (おな-じ) 音素表記は<と>である。 <訓壯夫云袁 [_55]【天皇】帰郷した妃と再会し悦楽 山県に 蒔ける青菜も 吉備人と 共にし摘めば[等母邇斯都米婆] 楽しくもあるか 訓の用法は滅多に使われていない。 御齒長一寸廣二分 このため、間違えることも無さそうな、シンプルな意味の文字だと思うが、その意味が捉えられているのかよくわからない訳になる箇所がある。 「 入於馬樎 以下は、現代の"等々"とほぼ同じだろうから、全部<ら>でよいと思うが、<たち>とか、<ども>が使われていることがある。しかし、原文を見ても、何らかのカテゴリーで読みが分かれることを思わせる記述は無い。 従って、後世の社会感覚で、<ら><たち><ども>に分けてよいのか、慎重に考えるべきかも。("達"は使用されていない。)<ら>そのものも、複数化表現するという基本的意味を伝えると同時に、なんらかの気分を醸し出している可能性がありそうだから。情緒表現の言葉ということになろう。 例えば、臣名列挙に不随する<ら>はいかにも官僚表記用語である。漏れがあったりすると抗議されないための常套手段。一方、一般名詞に付ける時は、複数化によって、目立たせない効果を期待していることもある。換言すれば、謙譲表現であり、場合によっては卑下していたりする。現代で言えば"あいつら"という言葉に含まれる軽蔑感もここらの手法の延長にあたろう。ここらのムードは文脈から判断するしかなかろう。 阿曇連 膳夫 其人等 天下人等 少子等 會人等 室人等 此三柱神者胸形君等之以伊都久三前大神者也 迦微能美許等 伊毛能美許等 諸神等 故以爲於此國道速振荒振國神等 言趣和其國之荒振神等之者也 言向平和荒夫琉神等 退撥不伏之人等 令和平其"麻都漏波奴"人等 惡作玉人等 不伏人等 不伏无禮人等 何撃遣西方之惡人等 東方十二道之惡人等 悉言向荒夫琉蝦夷等 亦平和山河荒神等 爾問賜之 汝 我之御子等 倭后等 女王等/王等 御伴王等 美知能宇斯王之女等 天皇命等之御命不長也 其鼠子 令服其衣褌等 歌集なので余り参考になりそうにないが、「万葉集」の用例は、極めて数が多い。冒頭のみ。・・・ 若干、気にはかかるので、「播磨国風土記」テキスト(日本古典文学大系1958年)での読みも一部眺めてみた。<ら><たち><ども>に分別されており、おそらくこの辺りは常識的な訓読表記なのだろう。・・・ 【賀古郡】 賀毛郡山直 大部造 私部弓取 遣丸部臣 【餝磨郡】 讚藝国漢人 積嶓郡伊和君 韓人 韓室首寶 巨智 韓人山村 此處石作連 村上足嶋 私部弓束 筑紫國火君 侍従 尾治連 但馬五國造 【揖保郡】 翼人 別君玉手 牛馬鹿 漢人刀良 額田部連久 故出雲國人 遣大倭千代勝部 宇治連 御船水手 安曇連百足 <生竹K葛 勝於當處 春米女 桑原村主 (C) 2022 RandDManagement.com →HOME |