→INDEX ■■■ 「古事記」解釈 [2023.6.18] ■■■ [722] 活用原初仮説で読みも見えて来よう 但し、「古事記」は712年成立の、口誦伝承叙事を文字表記化した書。このことは、倭語(話語)ということになる。普通に考えれば、日本語古文とはかなり異なっていてもなんらおかしくない。従って、日本語古文読みの要領で「古事記」の読みを決めてよいのかは何とも言い難しでは。 換言すれば、「古事記」から倭語が見えてくる可能性もあろう、となる。 もちろん、推測に過ぎない訳だが、古文⇒現代文という連続変化が見てとれるのだから、その変化のドライバーとルールを読み解くことは可能だと思う。そこらが確定すれば、倭語⇒古文に当て嵌めて逆算すればよいだけ。 例えば、活用で考えれば、何が原初かわからないでもないのだから。・・・ ---動詞活用表【古文❽種⇒⑤種現代文】--- ❶≪四段≫ [多語彙] __||未然|連用||終止|連体||已然|命令|| __a__ i__ u__ u__ e__ e__ ○≪下一段≫ 「古事記」非出([1語彙]…蹴[くゑ]る) __e__ e__ eru eru ere eyo ❷≪ナ行変格≫ [2語彙]…死ぬ 去(往)ぬ __a__ i__ u__ uru ure e__ ☚6種類の"形" ❸≪ラ行変格≫ [4語彙]…有り 居り 侍り 坐そかり __a__ i__ i__ u__ e__ e__ ❶❷❸⇒①≪五段≫ __|未然|連用||終止|連体||已然|命令||未然| __a__ i__ u__ u__ e__ e__ o__ ❹≪上一段≫ [10語彙以上]…着る 似る 煮る 干(乾)る 簸る 嚏る 回る 射る 見る 居る 率る 鋳る 癒る 沃る (率ゐる 用ゐる) __i__ i__ iru iru ire iyo ❺≪上二段≫ [多語彙] __i__ i__ u__ uru ure iyo ❹❺⇒②≪上一段≫ __i__ i__ iru iru ire iyo ❻≪下二段≫ [多語彙] __e__ e__ u__ uru ure eyo ❻⇒③≪下一段≫ __e__ e__ eru eru ere ero ❼≪カ行変格≫ [1語彙]…来 __o__ i__ u__ uru ure o(yo) ☚6種類の"形" ❼⇒④≪カ行変格≫ __o__ i__ uru ure ure oi_ ❽≪サ行変格≫ [2語彙]…す おはす __e__ i__ u__ uru ure eyo ☚6種類の"形" ❽⇒⑤≪サ行変格≫ __i__ i__ uru uru ure iro/eyo 例えば、全体を統一的に、母音語として覚えやすくすると共に、活用語尾を短くして単純化する方向に変化したと考えれば、以下の様な変遷が想定できよう。要するに、上二段から、最終的には四段まで進んだことになり、そこまで進めずに残渣的に残ってしまったのが下二段ということ。他は、それぞれ事情があって四段にまで変化できず、と見ることになろう。・・・ (原初) ┌────㊤㊁ │(無語幹対応) ├───→㊤㊀ │ │┌──→㋚ ├┤(i⇒e) │└┬─→㊦㊁ │┼│ │┼└─→㊦㊀ │ (i⇒o) ├───→㋕ │ (i⇒a) & (-yo⇒_) └─┬─→㋤ ┼┼│(-ru -re⇒_) ┼┼├─→㋶ ┼┼│ ┼┼└─→㊃ それにしても、"〜a/i/e/o-ず"という表現は覚えにくくなると思うが、何故にそのようなことをしたのだろう。 (C) 2023 RandDManagement.com →HOME |