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■■■ 「古事記」解釈 [2023.8.31] ■■■
[792] 太安万侶:「漢倭辞典」
太安万侶は漢字全体を俯瞰的に眺める才能があったようで、個々の文字を上手く扱っていた稗田阿礼の知恵を構造化することで、漢字の構成要素分類を頭のなかで仕上げていたように思える。
ただ、それをドグマ化せずに、すでに定着している好字の勝手読みを同居させているところが秀逸。言語とはそういうものであって、正書法のルール化ありきの世界はご免被るとの信念があったのは間違いない。従って、国史とは用字の考え方が根本的に異なっていると見て間違いないだろう。

そんな気分で、部首的見地から、漢字を眺めてみたが、最後のカテゴリー≪構≫についても軽くふれておこう。

ここは、"ものの見方"として、結構重要な箇所でもあるので、説明から。

漢字は、1文字の占有領域を□として規格化している。その中に記号を埋め込むことになるが、改竄しにくい公式文書とするためには、□と□の間に隙間を作らないことと、□内の余白への追加書き込みが難しいように文字を作る必要がある。(句読点を禁忌とした理由は自明。)
ところが、筆記用具は筆。そうなると、□スペース内での、文字の大まかな配置を決めておかないと、認識上、極めて難しいことになる。(祭祀甲骨文字が語彙表記記号と化す一大飛躍で文字表記ルールは大変化を遂げたことになる。)
その方法として、上部の≪:冠/屋根/頭≫、下部の≪:脚/下≫、左部の≪▮_:偏≫、右部の≪_▮:旁≫という区分けが生まれたのだろう。
基本はこの4タイプで、この派生形が≪垂≫≪繞≫や≪構≫と見るのが自然だと思う。そう考えると、≪構≫として、別扱いするなら、【囗】だけでよいのでは。・・・
(𪚥的な文字は、≪偏(冠-脚)-旁(冠-脚)≫と見なすことになる。)

≪冠≫
 ≪垂≫
  冠-偏
 ≪構①≫ (右垂)
  冠-旁
   【气】きがまえ…気/氣 氕氖氘氙氚氛氜氝氞氟氠氡氢氤氥氦氧氨氩氪氫氬氭氮氯氰氱氲氳㲴㲵㲶㲷(元素周期律表用文字が多い。)
   【勹】つつみがまえ…勾 匂 包/包 勺 匁 勿 匍 匐 匈 勻勼勽匀匃匄匆匇匉匊匋匌匎匑匒匓匔 句
         ⇔旁:【句】 
   【弋】しきがまえ…式 弌 弍/(弐) 弎 (武) {弑}
   【戈】ほこがまえ…成 我 戒 戚 戴 戊/戉 戌/戍 戎 或 {戋} {戔}
         ⇔旁:【弋】【成】【戈】 

 ≪構②≫ (両垂)
  偏-冠-旁
   【冂】どうがまえ…円 冊 再 𠔼𠔽・・・ 同 周
   【几】かぜがまえ…凡 凧 凪 凩 凰 凤凥凨凬凮凲
 ≪n.a.≫ (重挟)
  冠-・-脚 e.g. 亘
≪脚≫
  偏-脚-旁  (一種の構)
   【凵】下函  (部首名は函繞。)
   【山】− …幽 豳
≪偏≫
 ≪繞≫
  偏-脚
   【𠃊】−  (部首名は乙。)
 ≪構③≫ (並挟)
  偏-・-旁
   【行】ぎょうがまえ…術 街 衝 衛 衡 衍 衒 衢 銜
この手の文字を一文字の餡子≪▮-(▮)-▮≫と考えるか、偏-旁≪▮-(▮▮)≫と見なすか、単純ではない。
   【鬥】とうがまえ…鬨 鬩 鬮 鬧
   【門】もんがまえ…閉 開 間 閑 閣 関 閥 閲 闇 闘 閂 閃 閊 閏 閤 閨 閻 閾 闊 闖 闢
 ≪構④≫ (重挟偏)
  偏-脚-冠
   【匚】はこがまえ…匜匛匞匠匡匟匞匣㔯匤㔰㔷匥匧匩匨匫匪龨㔱匬匭匱㔲匯㔳㔴匰㔸㔵匲/匳匴匵匶匷㔶
   【匸】かくしがまえ…匹 區/区 医 㔷 匼 匽 匿 匾
≪旁≫
≪構⑤≫ (四方囲)
  冠-偏-脚-旁
   【囗】くにがまえ
      國/国313 _70 __1 __1 囙 回 因 団 囟 図 囲 困 囮 囨 囬 囯 囧 囪 囹 囶 囷 圀 囿 圃 圄 圈 圉 圊 圏 圍 𡈁 圎 園 圓 圕 團 圖 圗 圜 𡈭

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