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■■■ 「古事記」解釈 [2023.9.23] ■■■
[814] 太安万侶:「漢倭辞典」副詞圧巻🇬🇧
[ご注意]"副詞圧巻"は素人論なのでそのおつもりで。
副詞こそが、日本語らしさを表現する語彙と見たが、"こをろこをろ-に"、"さわさわ-に"とか、"なまなま-に"という語彙を代表とすれば、これぞ倭語という気になるので真っ当な考え方と短絡しそうになるが、あくまでもこれらは全体の一部の用例に過ぎない。
倭語とは、できるだけお気楽に修得ができるようになっており、異言語語彙取り込みに向く柔軟性を担保している話語と見ると、この大標語はピッタリだが、それに反する<副詞>が多すぎ。
多少の矛盾は、雑種言語だから存在して当たり前だろうが、自然体で言語を構築してきたとするなら、根本的な姿勢での対立を抱えている状況は、考えにくい。

・・・と言うことで、少し検討しておくことにした。
参考になりそうなのは、英語の副詞。(古代の語源ではないが、辞書に記載されているので、文法上の語彙分類は整備されていると見てよさそう。)・・・

【Adjective形容詞】の修飾対象は名詞。名詞以外を修飾する【Adverb副詞】とは峻別されている。
文型のSVCあるいはSVОCでは、補語=主語 or 目的語だから、【Adjective】は補語の役割を担うことが可能だが、【Adverb】は使えない。
・・・と書くと、いかにも明瞭と思ってしまうし、理屈はよくわかるものの、どうなのだろう。
  Now is the time.(主語は名詞。副詞では無い。)
  Time is up.(補語は形容詞。副詞では無い。)
  We talk long.(動詞修飾は副詞。形容詞では無い。)
  I have come home.(〃。at homeと違い名詞では無い。)
  I went to the shop yesterday.(紛れもなき副詞。)
    (勿論、主格名詞や形容詞[yesterday morning]も存在。)
ということで、自分がわかり易いように整理するとこんな具合。
【Adverb】
≪由来≫
○オリジナル
○形容詞/動詞/名詞-ly (同義とは限らない。)
○形容詞/名詞同一語彙 (同義とは限らない。)…峻別の意義薄し。
≪機能≫
○連続副詞化(副詞装飾)
○単純修飾@動詞直後(但し、動詞-目的語直後) 形容詞直前
○動詞特定意味(前置詞句代替的)装飾@文末
○前置詞付名詞句@前置詞直前/文全体修飾@文頭+[,](主語前)
○前後文関係表示(副詞的接続詞)@文節頭(接続詞前)
○疑問構文形成詞(5W1H)
○孤立(回答)@一語独立的文章
≪語義≫
1態度・様態/manner
2原因・結果/cause
3場所/place
4時/time
5頻度/frequency
6程度/degree
7確信度/possibility
8否定(肯定)/negative
・・・いかにも、複雑で、スッキリ感はたちどころに消え去ってしまう。
だが、それこそ、副詞を駆使しなければ、文芸的表現に辿り着かないと言えるのかも。おそらく、これこそ、英語の醍醐味。
口誦叙事の倭語も似た様なものか。

【🇬🇧 ⇒ 🇬🇷】…ギリシア文法は複雑性で有名だが副詞は英語とほぼ同じ。
adverb ⇒ ἐπίρρημα
  [adverb-ly] ⇒ -α/-ά -ως/ώς -ος
 adjective verb adverbs phrase
 time place manner frequency quantity degree + speaker's opinion


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