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■■■ 「古事記」解釈 [2024.2.29] ■■■
🔰[833]読み方[6]

「古事記」は出自からして史書ではないが、漢籍を含めた史書より、"歴史観"に満ち溢れている。意図的にそれを目指して編纂している訳ではなく、~統譜・皇統譜の流れを確定する上で、継承に至った事績を記載する方針を採用したため、インターナショナルな俯瞰図を頭に入れて読むと、大きな流れがなんとなく見えてくることになるからだ。
しかも、それが、いかにも雑多であり、日本列島の住民は人種的にも雑種であろうとの見方と相まって納得感を与えてくれる。

ただ、それはフツーの諸外国の歴史とは大きく違うことを確認することでもある。

一般には、国家樹立には、理念と言う坩堝でハイブリッド化するとか、フラグメントな部族はそのままで信仰で一本化させたりすることになる。しかし、弱小国家だと抹消の憂き目に合うという体験が豊富であれば、なにはともあれ独裁者による帝国化ありきということになろう。
ところが、「古事記」に書いてあることを素直に読めば、その流れに極めて乗り難い風土であることがすぐに分かる。民族的絶対最高~の存在はどう読もうと曖昧でしかないし、部族祖的血族信仰を基盤としている様にも映らないからだ。
要するに、~統譜・皇統譜さえあれば、理念や信仰自体は寄せ集めで結構という社会であり、それが「古事記」で実感できるのである。
余程社会に不適合でなければ、時代の要請に応じてなんだろうと取り込んで、一体化してしまう体質なのだろう。(これは、大陸極東果ての吹き溜まり的場所に在って、箱庭の様な地勢の離島ならではかも。現代人にも引き継がれていそうなので恐れ入る。)峻別明確化させず曖昧さを残すことで、転換を図っても過去の完全抹消を避ける点がミソかも。
例えば、こんな具合。・・・
    老子系(気的宇宙型)
    n.a.
(人青草)
    大陸亜熱帯地域系
(精霊型)
    揚子江中上流系
(壱岐・対馬型)
    スンダ系
(淡路島型)
    中国東北部系
(遊撃型)
    環日本海系
(出雲型)
    アルタイ系
(天帝型)
    浙江系
(道教/鏡型)
    黒潮系
(高山型)
    南方島嶼系
(大隅型)
    中原系
(宮)…始馭天下之天皇
    土着系
(地場鎮守)…根子
    中華帝国系
(軍)
    国家観念
…所知初國御眞木天皇
    革命
(皇位簒奪)…但し、科挙的発想は排除
    朝鮮半島系
(巫)
    ツングース系
(卵生始祖)
    儒教系
(徳)…但し、宗族信仰は排除
    [百済仏教系]
…無記載なのが秀逸(欽明天皇以降主流@国史)


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