→INDEX ■■■ 「古事記」解釈 [2024.3.10] ■■■ 🔰[837]読み方[10] 「古事記」の"訓"は、様々。 漢文読み下の場合はルールがあるので標準的読み方が規定できるが、「古事記」はそうはいかない。疑似漢文と見なして漢文に似せて読むのでは、倭文とは言えなくなってしまうからだ。従って、一意的な読みのルールは無きに等しいと言ってよさそう。 それに加えて、「ココはどうせわかるだろう。」的な編纂方針のようだから厄介である。文書官僚的な統一基準の記述方法を敬遠していた訳で、これでは、現代人は標準的な読み方を想像のしようがない。 どう読むかについて、一例をあげておこう。・・・ 一般には 小生は、以下のようにしてみた。・・・ 7 <於>の存在に対応する助詞として、<〜に>は不可欠なので、高天原を一語読みにするなら6拍であるべしが先に立つから<たか-あま・はら>であろうというに過ぎない。 <あま・はら>と読むのは、助詞<〜の>を省略したから。ここは冒頭であり、初登場の地名だから極めて不自然だと思うが致し方なかろうと言う事で。 単語読み本である本居宣長:「古事記傳」では<タカマノハラ>であり、助詞を入れている。(<あまのはら ふりさけみれば・・・>は後代の歌。<〜の>使用根拠とすべきではない。) 連体の格助詞なら<〜が><〜つ>もありうるが、冒頭であるから汎用タイプを選ぶのは妥当だろう。そうなれば、<たka-Aまのはら>⇒<たかまのはら>が自然な読みとなる。 もちろん、<〜の>を<〜が>にすれば<たka-Aまがはら>⇒<たかまがはら>になるが、濁音好みは漢語的風情を醸し出してしまうから避けるにこしたことはない。<〜が>を使う位なら、<〜つ>にして、<たka-Aまつはら>⇒<たかまつはら>にした方が良さ気。<天ッ空>という言い回しは珍しくもなかろうし。だが、高松原に聞こえてしまうので面白くない。 (C) 2024 RandDManagement.com →HOME |