→INDEX ■■■ 「古事記」解釈 [2024.3.18] ■■■ 🔰[843]読み方[16] 民族国家全体に係る武勇譚のなかで、明らかに2箇所だけ、叙事詩的な功業が記載されている。 両者ともに、悲劇的に崩御してしまったので皇位にはつけなかったものの、天皇扱いの記載。しかも、典型的な英雄像描写のモチーフが散りばめられている。「古事記」の地文は一見散文に映るものの、この箇所は吟詠最高傑作として通用していた可能性が高いのでは。 従って、ここだけは、文学作品として味わうことをお勧めしたい。(一般に、叙事詩@天竺・希臘とは、民族全体に係る伝説上の事件を扱った"作品"。メインキャストが華々しく英雄的功業を遂げる様子を、武勇譚として韻文形式で聴取者に語ることで成り立つ。) 「古事記」の神統譜・皇統譜全体から見れば東征は6ステップとなる。その特徴は、東へ東へと<道行>調に乗っている点。地名順列的に描かれており、地名譚も配される場合があるが、それが倭流であるのかも。 もちろん、最果に到達すれば東行は完了してしまうことになる。 尚、注意しておくべきは、「古事記」でば"神武東征"ではなく、"五瀬命東征"である点。 こうした記述の根底には、極東への憧憬の存在を当然視している姿勢がありそう。日神を仰ぐ所以は、農事と言うより、この観念からと考えて編纂しているようにも思えてくる。(と云うのは、震旦・天竺での日神の扱いは最高神には程遠いから。中国大陸南方神話でのみ、太陽と高木の世界が重視されていることを、太安万侶は知っていた可能性もあろう。) ≪蛇王朝打倒譚≫速須佐之男命 ㊤㋜速須佐之男命⑤~夜良比⇒⑥降出雲國⇒⑦八俣遠呂智⇒⑧須賀宮 ≪出雲王朝転覆譚≫建御雷之男~ ㊤㋔大國主~⑮[遣]建御雷之男~⇒⑯八重言代主~ ≪瀬戸海東征譚≫五瀬命 ㊥❶~倭伊波禮毘古命㊀高千穗宮⇒㊁上幸而上幸⇒㊂五瀬命崩 ≪倭平定譚≫天孫・吉野・熊野勢 ㊥❶~倭伊波禮毘古命㊃布都御魂・八咫烏⇒㊄贄持之子・井氷鹿・石押分之子⇒㊅宇迦斯⇒㊆道臣命・大久米命⇒㊆拔刀一時打殺生尾土雲八十建⇒㊆邇藝速日命 ≪東方十二道平定譚≫大毘古命・建沼河別命 ㊥❿御眞木入日子印惠命㊂大毘古命・建沼河別命 ≪東北地域全面制覇譚≫倭建命 ㊥⓬大帶日子淤斯呂和氣天皇㊁小碓命/倭建命御子⓹阿豆麻{❶言向和平東方十二道之荒夫琉~⇒❷弟橘比賣命⇒❸酒折宮⇒❹美夜受比賣⇒❺伊服岐能山之神}⇒⓺歌竟竟卽崩 ーーー ≪新羅國制圧譚≫息長帶日賣命 ㊥⓮帶中日子天皇⓸度幸新羅國 (C) 2024 RandDManagement.com →HOME |