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■■■ 「古事記」解釈 [2024.5.2] ■■■
[876]読み方[46]
国史を参照すべきでないという点での簡単な補足をしておこう。・・・

上巻を一通り読んでから、国史の記述内容を眺めれば、両者が描いている世界が全く違うとしか思えないのでは。ここらはセンスの問題も大きいだろうが。

よく見かける解説は、出雲神話をことさらとりあげており、そうした配慮を感じさせるのが「古事記」というもの。出雲王朝の記載有りと云えばその通りではあるが、「古事記」とは神統譜-皇統譜の書との基本コンセプトとからすれば相いれない見方。

冒頭の、≪㊤ ❶高天原 {①造化三神⇒②別天神(+2柱)⇒③神世七代(12柱)}≫から、「古事記」が示すコンセプトはユニークである。しかも、記述上で七五調への拘りも見せており、神統譜出だしの定番的な言い回しの様な印象を与えている。
国史にも似た神名が少なくないが、全体構造が全く異なっており、そのなかでほぼ同じ名前であるからといって、同一視してしまう方法論にはとてもついていけない。

その次の淤能碁呂島については、できあがるイメージも、言葉の扱いも、「古事記」は独特である。海から国が生まれたといっても、成り立ちは鹽であると云っているようなもの。それは、潮であり、且つ又、汐でもあることを重層的に示していることになろう。こうした記述こそ、口誦叙事の典型と語っているようなものと違うか。国史の様に、海水中から矛で陸地を引き上げたという様な理路整然と記述するような姿勢とは正反対では。

国生みでも、大和が存在する大倭豊秋津嶋は、最初ではなく、大八嶋の最後というのも一大特徴と言ってよいだろう。

:㊤の構造は7段
🈜
  ㋟高天原之~(々)
  ㋑伊邪那岐命・伊邪那美命

🈭
  ㋜速須佐之男命 ㋔大國主~
🈝
  ㋐天照大御~・太子正勝吾勝勝速日天忍穗耳命
  ㋥天邇岐志國邇岐志天津日高日子番能邇邇藝命
  ㋭火照命
  ㋒天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命

(太子正勝吾勝勝速日天忍穗耳命は速須佐之男命の御子という見方もできるようになっている。)

非「古事記」型の神統譜は、国ありき。7祖神の、シンプルな男系。・・・
[独神1] 国常立 尊

[独神2] 国狭槌 尊

[独神3] (おそらく"葦牙"対応) 尊


[対偶神1]

[対偶神2]

[対偶神3]

[対偶神4] イザナギ 尊  [& イザナミ 尊]


○(日)神  [& 月神 蛭児 スサノヲ 尊]


○おしほみみ 尊  [& 4命]

○ほのににぎ 尊

○ほほでみ 尊  [& 2命]

○うがやふきあえず 尊


○神武天皇  [& 3命]


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