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■■■ 「古事記」解釈 [2024.5.6] ■■■
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天皇で神とされるのは、初代(~倭伊波禮毘古命)と次代(~沼河耳命)のみ。
但し、初代は、上巻の誕生の系譜紹介で、このほかの2つの名前で記載されている。兄(3男)の御毛沼命に冠辞を付けた若御毛沼命と豊若御毛沼命。
全く毛色が異なる命名なのは明らかで、上・中巻で断絶があることを示している。つまり、新たな神の誕生ということになろう。それは、~沼河耳命まで続いていることになろう。
・・・「古事記」を読んでいると、読者がこうした質的転換の発生に気付くように工夫がなされていることに気付かされる。
≪神の概念が変わりましたゾ。≫との見えない注記が記載されているようなもの。そうなれば、一体、どう変わったのか考えさせられることになる。当然ながら、それ以前の神とはどういったコンセプトなのだろうと頭をひねることになる。しかし、いくら脳味噌をかきまわして探したところで、蓄積されている知識の棚にその答が見つかる訳もない。
・・・これこそが、「古事記」の素晴らしさ。


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