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■■■ 「古事記」解釈 [2024.5.18] ■■■
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「古事記」は記載されている崩御年は極く僅かであり、中華帝国最古の史書の編年体記述型には程遠いが、それなら定番になっている紀伝体に近いかといえば、その形式も完璧に無視している。(天皇の事績が当該段以外で記載されることは珍しくない。倭建命は即位していないにも関わらず、当該天皇段では、天皇事績たりうる記載は全くない。)

その代わり、様々な話は、ほとんどが時間軸的な流れのなかに位置づけられており、世代的な受け継ぎが感じられる体裁をとっている。さらに、すべての神々・皇族・臣下が整然と血脈のなかで規定されている。

・・・こんなことは誰でも気付く筈。
「古事記」は~統譜-皇統譜の書であって、事績類はその継承にあたっての経緯の背景を説明できるものが収載されている、と見なすのが一番自然では。

その観点で、特に、よくできていると思うのは、個々のお話は単独で神話として通用するだけの内容を持っているにもかかわらず、前後での話の繋がりが設定されている点。
仏教の因果律的チェーン構造になっていると考えても構わない位にしっかりと描いている。但し、そこには無常感は皆無だが。

実に見事としか言いようがない。
有能な官僚で編成され、諸勢力の意向を忖度して進めざるを得ないプロジェクト・チームの作業では逆立ちしてもできることではなかろう。


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