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■■■ 「古事記」解釈 [2024.5.22] ■■■
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大変に古い映画だが、Breakfast at Tiffany'sは何回となく視聴。しかし、原作者はこれを見て激怒したと伝わる。ソリャそうだろう。
そもそもオードリー・ヘップバーンを起用すれば、しぶとく生き抜いていく、図太い女性像が生まれる訳などあり得ない訳で。

現代文「古事記」本も同じようなものでは。
漢字文章の翻訳でしかなく、口誦倭文を伝えようとの編纂者の意向とは正反対を志向していることになる訳で。

従って、翻訳現代和文(外国語を除く)は読まないにこしたことがないと思うが、それでは社会常識に付いていけぬということになるので、致し方ない。最古の書だから、粗筋的内容だけでも知っておかねばなるまいとの、見えぬプレッシャーの下に棲んでいることだし。

この書は、そもそも大衆向けではない。
漢字の素養レベルが高く、漢文をスラスラ読める能力がある人しか読者対象としていない。現代的に言うなら、皇族用教養書であって、幼少者の場合は専門家が口誦で聴かせるようなタイプ。

しかし、漢語能力だけだと、多分、読めないので、閉口した筈。
つまり、一流の漢語専門家だからといって、読めるかと云えば、逆の可能性があり、さっぱり意味がわからぬということになりかねない。

今迄の祭祀で色々聴いていたお話がなんとなく頭の中に残っていないと、理解はかなり難しい。事績欠落の末尾の天皇段も多いが、それらについても、ある程度の天皇代イメージが浮かばないとさっぱり面白くない筈。知っていると、そうか、血脈がこうなっているのかと、気付かされて目から鱗となる。
当然ながら、仏教や外交について、最低限の知識は不可欠。何も触れていないこと自体にメッセージ性があり、成程感がうまれる仕掛けだと思う。(例えば、臣下に暗殺された天皇の存在を知らぬ読者がいる訳もなかろう。)

その代わり、ある程度素養が身に着いている人にとっては、「古事記」の文章に、たいした難しさを感じなかったろう。
音の響きとリズム感が心地よい口誦はこうなる筈と自然体で読めた可能性が高い。

・・・この様な状況を想定すると、とても、現代の素人が手出しできる世界ではないことがわかる。


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