■■■ 「古事記」叙事的訓読  ■■■
上巻段立
口誦叙事は壮大な神統譜の体裁であるとの前提に立つと、様々とか、「出雲神話」や「天照大御神の天の岩戸譚」という見方は後世の見方であると言わざるを得まい。

特に、天照大御神については、生まれは大八嶋国であるものの、高天原之~であって、降臨したことは一度も無い。つまり、叙事の流れからすれば、速須佐之男命の<我勝⇒天石屋戸⇒~夜良比⇒降出雲國>というダイナミックな動きでの脇役的登場以上では無い。主役としては、"御子"太子正勝吾勝勝速日天忍穗耳命に命ずる場面が該当する。皇統譜上の直接的祖ということになるが、婚姻関係ではないものの、物実関係がある以上、速須佐之男命も祖ということになる。

これを踏まえると、以下の様な段建てになる。


  🈜
  ❶高天原之~
     ①造化三~
     ②別天~
     ③~世七代
  ❷伊邪那岐命・伊邪那美命
     ①淤能碁呂島
     ②天之御柱・八尋殿
     ③布斗麻邇
     ④大八嶋国
     ⑤生~
       ㊀十~
       ㊁河海八~
       ㊂風木山野四~
       ㊃大山津見神野椎神八~
       ㊄~避八~
     ⑥葬比婆之山
     ⑦斬迦具土~之頸
     ⑧黃泉國
       ㊀追往
       ㊁入見之時
       ㊂黃泉比良坂
     ⑨御身之禊
       ㊀脱著身之物
       ㊁滌
       ㊂左御目右御目鼻
       ㊃事依
  🈭
  ❸速須佐之男命
     ①參上天
     ②宇氣布
     ③我勝
     ④天石屋戸
     ⑤~夜良比
     ⑥降出雲國
     ⑦八俣遠呂智
     ⑧須賀宮
     ⑨娶生子
  ❹大國主~
     ①裸菟
     ②火燒似猪大石
     ③參向根堅州國
     ④相婚
     ⑤逃出
     ⑥木俣~
     ⑦高志國
     ⑧上坐倭國
     ⑨十七世~
     ⑩少名毘古那~
     ⑪大年~御子十六柱・羽山戸~御子八柱
     ⑫[遣]天菩比~
     ⑬[遣]天若日子
     ⑭阿遲志貴高日子根~
     ⑮[遣]建御雷之男~
     ⑯八重言代主~・事代主~
     ⑰天之御舍
  🈝
  ❺天照大御~・太子正勝吾勝勝速日天忍穗耳命
  ❻天邇岐志國邇岐志天津日高日子番能邇邇藝命
     ①猨田毘古~
     ②五伴
     ③高千穗之久士布流多氣
     ④天宇受賣命
     ⑤大山津見~
     ⑥無戸八尋殿
  ❼火照命
     ①海佐知毘古・山佐知毘古
     ②鹽椎~
     ③豐玉毘賣
     ④綿津見大~(鹽盈珠・鹽乾珠)
     ⑤一尋和邇
     ⑥以鵜羽爲葺草造產殿
  ❽天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命

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