■■■ 「古事記」叙事的訓読  ■■■
㊥⓫伊久米伊理毘古伊佐知命㊁后沙本毘賣・兄沙本比古王①
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-----①伊呂妹沙本毘賣愛兄-----
2 此こ_の(○○○)
7  天皇すめらみこと_の
7   以→沙本さほ毘賣びめ_を←もちて
7    為→➰后[おほ]きさき_と←し
3         之し時とき(○○)
5 沙本さほ毘賣びめ_の
7    命みこと之の兄[いろ]せ
7       沙本さほ毘古びこ_の王みこ
6  問→➰其そ_の伊呂妹いろど_に(○)
5     ←と-ひ曰まを-す
 「
5   孰→*(○○)愛→➰夫つま與と兄[いろ]せ_と
3        *←いつれ(○○)
6          ←うつくし-む 歟や
            」
7 答こた-へ_て曰まを-す
 「
7   愛→➰兄(いろ)せ_を←うつくし-む
           」
3 爾ここに(○○)
7 沙本さほ毘古びこ_の王みこ
7    謀はか-り_て曰まを-す
 「
7   汝いまし寔まことに
7    思愛→1→2➰我われ_を2←あはれ_と
7     1←おも-は者ば 將まさに
5    吾あれ歟ー 汝なれ_と
5     治→➰天下あめのした_を
4       ←をさめ-よ(う)(○)
          」
4 而ー 卽すなはち(○)
6 作→➰八鹽折やしほをり之の(○)
6    紐小刀ひもかたな_を(○)
3       ←つくり(○○)
5  授→➰其そ_の妹いも_に
7    ←さづ-け_て曰まを-す
 「
2   以→此こ_の(○○○)
7     小刀かたな_を←もちて
7       刺殺→・→➰天皇すめらみこと之の
5            寢ね_たまふ_を
5              ←・←さ-し・ころ-せ
                  」
2 故かれ(○○○)
7 天皇すめらみこと_は
7  不知→➰其そ之の謀はかりごと_を
5   ←し-ら・ず 而ー 枕→➰其そ_れ
6        后 [おほ]きさき之の(○)
5         御膝みひざ_を←ま-ぎ
7          為→➰御寝みね_を←し坐まします 也ー
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○これぞ倭の人気口誦叙事ということで収録されている印象を与える。現代感覚からすると<②天皇見異夢>の皇后の告白は余計。<①伊呂妹沙本毘賣愛兄>ですでに語られている内容を言葉で語るだけだから。しかも、天皇の夢の内容が通俗大衆的で、いかにも安易に作りました感芬々。…しかし、だからこそ、当時の貴族には心に沁みるものがあったことになろう。実質的には女系社会でありながら、男系化を進めざるを得ない環境下にあったからかも。ただ、劇として見れば、まさにドラマティックな連続シーンの<⑥取獲其御子不得其御祖>は、告白シーンあってこそ引き立つ訳で、要するに、皇后が立場上いかんともしがたい状況に引き込まれていく流れに共感せざるを得なくなる仕掛け。そして、その様に読み取ると、本牟智和氣御子が言語障害児として生まれてしまうことに因果応報感を覚えてしまうことになる。

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