■■■ 「古事記」叙事的訓読  ■■■
㊦㉓[伊邪本別王御子市邊之押齒王御子]袁祁之石巢別命
㊄毀大長谷天皇之御陵
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7 天皇すめらみこと_
7  深怨→*_父王ちちぎみ_
7   ころ-し_たまひ
7        大長谷おほはつせ_(の)
7           天皇すめらみこと_
7              *←ふか-く・うら-み_
6  →*_みたま_(○)
5   むく-いむ_
5    *←おもほ-し_
かれ
7 →*_ 大長谷おほはつせ_(の)
7  天皇すめらみこと
5    御陵みささき_
5      こほ-たむ_
5        *←おもほ-し 
3  ひと_(○○)
7   つかは-しとき

5 _ 伊呂兄いろせ
7  袁祁をけ_みこと_
5   まを-しい-ふ
 「
7   破壞_ 御陵みささき_
7    こほ-つ_不可→*他人ひと_
7        つかは-す*←ましじ
7   もはらやつかれ
7     みづからゆ-き_
7       天皇すめらみこと
7        御心みこころ_ごと
7         破壞こほ-ち_まつり_
7          もちて參出まゐ・で-む
              」
ここに
天皇すめらみこと_
  のたまはく
 「
3   しかり(○○)
6    おほせごと_(○)
4     まにまに(○)
6      幸行いでま-すべし(○)
         」

4 もちて(○)
7 袁祁をけ_みこと_
4  みづから(○)
6   下幸くだりま-し (○)
7    少掘_ 御陵みささき
5      かたはら_
7        すこし・ほ-り_たまひ_
7  還上かへり・のぼ-り_
7   かへりまをし_
2       い-ふ(○○○)
 「
5   すでにほ-り
7    こほ-し_まつり 
         」
3 ここに(○○)
7 天皇すめらみこと_
5  _はやく
7   還上かへり・のぼ-り_
5     _(さま)_あやし-び 
5   のたまはく
 「
3   如何いかに(○○)
7    破壊こほ-ち_たまふ_
      」

7 こた-へ_まを-す
 「
7   少掘_ みささき
7    かたはら_𡈽つち_(を)
6     すこ-し・ほ-り_(まつり)_(○)
          」
7 天皇すめらみこと_
5   のたまはく-
 「
5   →*父王ちちきみ
7    あた_むく-い_
4     かならず(○)
5      ことごとく
7        破壊_ みささき_
5         こほ-たむ_
7          *←おもひまつり_
3    いかに(○○)
5     すこしほ-り
5      _たま-ひし 
          」

7 こた-へ_まを-す
 「
7   所以ゆゑしかな-れ
7      父王ちちきみあた
6   →*_みたま_(○)
5    むく-いむ_
5     *←おもほ-す_
6   _まこと_(○)
6     ことわり なり(○)
7   しかれども _
5    大長谷おほはつせ_(の)
7     天皇すめらみこと
5      →†ちちあた
7       な-れ†← かへり_
5   →*われ従父をぢ
7    またあめ_した
7     をさ-め_たま-ひ 
7      天皇すめらみこと_
5       *←_たまひ_

7   _ いま 單取→→ちち_
3     あた(○○)
6      こころざし_(○)
7        ひとへ_・に・と-り_
5    ことごとく
5      →*あめ_した
7       をさ-む_たま-ひ
7        天皇すめらみこと_
5         みささき_
4          *←くだ-か(○)
5      後人のちひと_
4       かならず(○)
4        誹謗そし-ら_(○)
2    ただ(○○○)
7     父王ちちきみあた
6      不可非報むくいざらゆ(○)
3        ましじ(○○)
4   かれ _(○)
7   少堀みささき__
5    すこし・ほ-り
7     _まつり__き すでに
5         _もちて
6          はづかしめ_(○)
5         足示→1→2のち__
7           2←しめ-す_1←た-らむ
               」

6 如此かくまを-せ
7  天皇すめらみこと_
3   こた-へ_(て)
5    のたまはく 
 「
4   _ また(○)
7   おほ-きことわり
5     おほせごと
4      _ごとく
6       ゆるし_たまふ (○)
            」

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○長子継承で無いにもかかわらず、儒教の宗族信仰が濃厚なことがわかる。・・・宗族指定の墓所に葬られ、子々孫々祭祀が継続して行われる必要があり、祖先から末代まで(恥や栄誉も含め)すべて一体との観念。
当然ながら、大長谷天皇の墓暴きは子孫の義務。中華帝国では、先祖の仇敵一族の一掃は永続的に末代の務めとして引き継がれて行くから、御陵破壊は当たり前の行為。(そもそも、墓所は死穢の地。触れるなど以ての外。本葬後はその地を避けるのが倭の伝統だと思う。)


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