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■■■ 「古事記」解釈 [2022.11.19] ■■■
[歌鑑賞47]道の後こはだ乙女は争はず
【(太子)大雀命】得た妃の性情を喜んだ
美知能斯理みちのしり 古波陀袁登賣波こはだをとめは 阿良蘇波受あらそはず 泥斯久袁斯叙母ねしくをしそも 宇流波志美意母布うるはしみをもふ
㊄(5-7)-(5-7)-8

    歌曰
道の後  道の端ての地から来た
こはだ乙女は  子肌の少女では
争はず  争うこともなかったが
寝及惜しぞも  (天皇は) 寝ることもなく 惜しく思っていよう
愛思ふ  愛しい少女と思っていたろうから

大雀命の頭の回転の凄さはこの歌が示している。
前歌で、これ以上の光栄なことはございませんとばかり、賜ったお嬢さんについて歌ったのだが、そこで完了ではない。
表面的には、天皇がお召しになった娘子を横取りしたことになるし、天皇も惜しかったと歌で詠んでいる以上、頬かむりもできない。
それに対処したのがこの歌ということになる。

この歌は、えらく、わかりにくい。天皇がおっしゃる通りの素晴らしいお嬢さんですと、言っているだけのことだが、ここでのキーワードは"争はず"だろう。
横恋慕して、天皇と一人の娘子を争って勝ち取ったのではないと周知させるために、追加しているようなもの。天皇が、まことに残念との表明に、その通りでしょうと応えることで波長を合わせていることになる。
ここまでの4歌、予め作っておいたシナリオでは無さそうだが、ほぼ出来レースと言ってよいのでは。

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