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■■■ 「古事記」解釈 [2022.12.23] ■■■
[歌鑑賞81]大前小前宿祢が金門陰
【穴穂命】輕太子討伐
意富麻幣をふまへ 袁麻幣須久泥賀をまへすくねか 加那斗加宜かねとかけ 加久余理許泥かくよりこね 阿米多知夜米牟あめたちやめむ
㊄(4-7)-(5-6)-7

    於是 穴穂御子 興 軍圍 大前小前宿禰之家
    爾 到其門時 零大氷雨
    故 歌曰

大前  大前
小前宿祢が  小前宿禰の
金門陰  (家の)金門の陰に
かく寄り来ね  こんな風にして お立ち寄りなされ
雨たち止めむ  (もうすぐ)雨は止みますから

禁忌破りとされて追われた皇子は、大前小前宿祢の元に逃げ込み、武器を製造し討伐に備える。しかし、結局のところ戦いにはならず、皇子は補足され、急遽一件落着となる。
従って、適当に解釈して、すぐに通過してしまいかねない箇所である。
ところが、歌物語として扱うとなるとこれが結構骨。

書き方からすると、この歌は穴穂御子が大前小前宿祢に対して詠んだことになる。すでに軍が囲んでおり、氷雨があがれば火蓋が切って落とされるから、その前にこの門で決着をつけようと。
これに応え、大前小前宿禰が次の歌を踊りながらに登場という流れの解釈になってしまう。

それでよいのかはよくわからない。
シナリオは幾通りも書き換えることができそうだからだ。

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