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■■■ 「古事記」解釈 [2023.1.4] ■■■
[歌鑑賞93]引田の若栗栖原
【天皇】志都歌若かりし頃睦合えばよかった、と
比氣多能ひけたの 和加久流須婆良わかくるすばら 和加久閇爾わかくへに 韋泥弖麻斯母能ゐねてましもの 淤伊爾祁流加母をいにけるかも
㊄(4-7)-(5-7)-7

    又歌曰
引田の  引田の
若栗栖原  栗の若木の生えている原(の)
若くへに  若いうちに …へ=え[接尾語:向き]
率寝て坐しもの  共寝しておけば(よかった)
老いにけるかも  老いてしまったからなあ 

何故に栗を持ち出すのかは気になるところだが、三栗表現も好まれるので、気軽に草木を詠もうとすれば身近なものを真っ先に考えるのだろう。
栗は、桃栗3年で成長が早いが、この数字は林産業が生まれてからの数字。種からだと5年で若木になり、そう呼ばれるのは2〜3年間で、すぐに成木になる。15年後になると老木と呼ばれるようになるが成長は続く。樹齢100年で幹は直系1mに達するとされる。細かくはともかく、そんなイメージの木である。
童女好みとしては、つくづく早く召していればと本気で残念がったのかもしれない。

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