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■■■ 「古事記」解釈 [2023.1.14] ■■■
[歌鑑賞103]水注く臣の少女
【天皇】浮歌続く求愛
美那曾曾久みなそそく 淤美能袁登賣をみのをとめ 本陀理登良須母ほだりとらすも 本陀理斗理ほだりとり 加多久斗良勢かたくとらせ 斯多賀多久したがたく 夜賀多久斗良勢やがたくとらせ 本陀理斗良須古ほだりとらすこ
㊇ or ㊂+㊄ (5-6)-7-(5-6)-(5-7)-7

    故 於此豐樂 譽其三重婇 而 給多祿也
    是豐樂之日 亦春日之袁杼比賣 獻大御酒之時
    天皇 歌曰

注釈付き。
    此者 宇岐歌也
水注く  水が注ぐ大海(同音⇒臣)の様な(度量が広い)
臣の少女  臣のお嬢さん
秀樽取らすも  お銚子を持って来たが (樽=盛酒器)(取る=手に持つ)
秀樽取り  お銚子を持って(注ぐなら)
堅く取らせ  しっかりと(手で)持つように
下堅く  下を持つなら力を入れて
弥堅く取らせ  (上は)心を籠めて持つように
秀樽取らす子  お銚子を持って来たお嬢さん

宇岐とは、うきのことらしい。要するに、酒宴で歌われる定番ということになろう。
  伊勢國之三重婇 指擧大御盞 以獻  其女矢河枝比賣 命令取大御酒盞 而 獻

歌の意味ははっきりしないが、あくまでも天皇統治の寿ぎ。そうなると、しっかり持つと、天皇統治がしっかりすることになるのだろうか。
ともあれ、儀礼の場だから、お酒を溢したりしないようにしっかりと持ちなさいよという優しいご注意であろう。童女好みのようだから、そんな仕草の可愛さを愉しんでいる気もしてくる。

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