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2000.3.2
 
 


研究者として成功する秘訣…

 研究開発に失敗はつきものだ。リスクがあるからこそ、成功の見返りも大きい。当然のことといえよう。

 ところが、「失敗」と言おうものなら、左遷は確実という会社もある。それでは、成功すると昇進するかというと、これが違う。誰かが成果をあげたら、そのテーマにかかわった顔ができることが重要なのである。1つの成功よりは、沢山の成功にかかわることが出世への早道なのだ。
 ブレークスルーのうわさが伝わると、その研究員の回りには、様々なグループが突然登場し、皆で成果を分かち合う。研究成果発表会での記念写真には、今迄見たことも無い幹部が並ぶ。この時に、余計なことを言う研究員はたいていどこかに消えていく。

 有能な研究員は「うちは挑戦的な研究ができない」などとは絶対に言わない。この風土のなかで、平然と挑戦的な研究をするのである。「この技術で蚊取り線香代替ができ、その市場は3000億円」などと平然と主張する。成功しそうにない冒険テーマでもかまわない。ともかく、大風呂敷を広げることが重要だ。だれもがが打ち上げ花火と思うが、止める勇気を持つ人はいない。
 勝手に研究を進め、予算を徹底的に食い散らかし重要な技術を磨くのがコツである。

 といっても、撤退のノウハウは不可欠だ。
 問題化する前に、テーマを終了させる必要がある。勿論、成果などありえない。しかし、決して「失敗」と言ってはいけない。
 「2年間の徹底的な研究によって、この画期的製品を実現するために突破すべき課題が初めて明確になりました。ここに徹底的に投資して、バリアを突破できれば巨大な事業が生まれます。ついに第一歩が踏み出されたのです。」と言って、違うテーマに移ればよいのだ。


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