↑ トップ頁へ

2000.4.9
 
 


入社式の挨拶…

 大手電機・エレクトロニクス企業に入社後30年の方に聞いた。

 「入社式のトップの挨拶を覚えている?」

 皆、発言の全体像は忘却のかなただが、驚いたことに、発言の印象だけは持ちつづけている。言葉自体は思い出せなくとも、ハッとなった内容だけは思い出せるのだ。紹介しよう。

 A君---「せっかく入社したのだ。自分のおもしろいことやれ。自分に合わない会社だと思ったら、明日でもよいから、できるだけ早く退社した方がよいぞ。自分の一生なのだからよく考えろ。」と言われたとのこと。これは、遊べるぞ、とニンマリしたそうだ。

 B君---「優良企業というのは、顧客のためなら、祭日だろうが故障修理にかけつける位の対応をするものだ。先端技術活用ばかりで、顧客の心を理解しない企業人にはなるな。」という趣旨の、他社事例を含めた話しがあったそうだ。この話しを聞いて、実は、ホットしたという。興味を持てぬサービスに力をいれるより、先端技術製品開発に熱心な研究者・技術者が溢れていることが分ったからだ。これなら、徹底的に技術に打ち込めそうだと直感したという。

 C君---「時代を変える技術を作り上げ、日本経済を先頭に立って切り開く使命が当社に課せられている。」といったトーンの発言だったという。これから、優秀な先輩と働くということになるのだな、と身の引き締まる思いだったという。

 さて、ほぼ30年後の2000年、どうなったか。

 A社は時代の波を切り開く企業。B社は相変わらず、先端技術でグローバルに活躍。C社は低調。
 A君、B君、C君の3人ともに、最近、早期退職。しかし、それぞれ、全く違う思いだ。思いの方は非公開としよう。


 苦笑いの目次へ>>>     トップ頁へ>>>
 
    (C) 1999-2004 RandDManagement.com