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2000.7.15
 
 


総合電機の終焉…

 「総合電機の終焉」という話しがようやく下火になった。
 当事者だから今迄黙っていたが、ポイントがわからず、質問したかった、と発言する人が出てきた。

 そこで、よくわからない指摘とは何か聞いてみた。
 「自分の畑で深耕すべきで、手広くやるから駄目なのだ。」---GEは全く無関係の産業に色々と進出しているのだが、これは間違いなのか?
 「重電と家電を揃えてどうする。」---安定したキャッシュフローを産む事業とヒット商品でアップダウンするような事業をミックスする考え方だ。こうした投資ポートフォリオ発想は間違いなのか?
 「事業をバラさず、一緒にするから成果がでないのだ。」---事業をバラす方向で動いていた、赤字で苦闘中のIBMは、ガースナーの統合サービス化で復活した。このような発想は間違いなのか?

 総合電機は、もともと勝てる根拠が薄い事業を沢山抱えている。そこに、重電事業の収益基盤が崩れてきたのだから、ひとたまりもない。そのような状態で、総合電機業態の話しなど、書生の議論だ、と感じた訳だ。

 「総合電機の終焉」論者も、要は、勝てる根拠が無い事業は「切れ」という主張なのであろう。
 この主張通りに進めると、どうなるか。
 ブランド力はある。従って、販売ポテンシャルはある。しかし、これ以外の部面では力が弱い。そうなると、OEM商品販売ではなく、他社事業化がベストといえよう。研究者・技術者はおろか営業も不要となる。ブランドロイヤリティ収入になるから、ROEは抜群である。ピカピカの企業に変身する。

 このシナリオを話すと、即時に、「我々は投資家とは発想が違うから、このようなことにはならない。」と発言する。しかし、解決策はまだ見つからないようだ。


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