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2000.10.23
 
 


日本のソフト開発力が弱い理由…

 「日本のソフトが弱いのは当たり前だ。」とハード屋が発言するようになってきた。ソフトの開発力が弱い理由は、ハード屋のソフト屋利用方法にあると気付き始めたようだ。

 ハード屋はプログラム開発を頼むのだが、時間当たり人件費と所要時間を見積もり、予算を設定してきた。しかし、常に予想は大きくずれる。トラブルの連続である。この原因を、ソフト屋の能力不足と決めつけてきた。

 ところが、能力不足を助長させたのは、実はハード屋なのだ。

 プログラマーは時給で働いている。バグが増えれば、バフ潰しの時間が増え、収入も増加する。簡単にすばやく仕上げるプログラマーは収入が減ることになる。業績で給与が支払われることなどない。

 従って、ビジネスセンスを欠く「オタク」だけが、簡素ですっきりしたプログラムに挑戦する。思考に時間がかかる割に、コードのアウトプットは小さくなるようなプログラム開発は危険だから、皆避けるのである。ハード屋から工数が少ないと見なされたら、下手をすると、不当に高額な要求をする悪質プログラマーと見なされる。頑張れば頑張る程、自分の首を締める。
 できるかぎり頭を使わずに、分っているものを寄せ集めて大きなものを作るのがプログラマーの処世術である。当然、複雑怪奇なものになる。訳のわからぬバグも増える。
 能力あるプログラマーは冷遇される仕組みである。

 こうしたプログラマー達を管理する仕組みにも質の低下を促進させる仕掛けが組み込まれている。プログラムだから必ずバグがある。ところが、仕事の責任者はバグ対策ができない。責任のとりようがないのだ。バグ対策に当たるのは、結局は当のプログラマーだ。しかし、プログラマーは全く責任を負わない。

 はたして、ハード屋は改革の一歩を踏み出せるだろうか。


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