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2002.4.1
 
 


TLOの現実…

 TLOの活動を気にかけている人は多い。将来不安は拭い切れない、との関係者の発言も伝わってくる。

 大企業内のTLO期待派は、世界に通用する斬新な成果を待ち望んでいる。これに応えて、TLO活動が本格化している。しかし、国際特許化を進めれば、経費が重くのしかかる。この経費をカバーできる収入が得られなければ、早晩行き詰まる。従って、産業界の期待に応えられる力があるかどうかで、TLOの将来性が決まる。

 産業化に熱心な研究室が多い大学(東北大、東工大、阪大の3校)では、外部資金授受公認効果でTLO活動がスムースに進んでいるようだ。ここだけ見れば、TLOは軌道に乗っている。しかし、特許申請する研究者は相変わらず限られているといわれている。研究者の裾野が広がる気配はない。
 一方、産業界に売り込めそうなテーマがもともと少ない大学は大変だ。特許化の種は少ないし、産業化チャンスを探せる人材も育っていない。。
 そもそも、大学が、産業利用より理論形成に注力してきたのは、企業の方が技術が進んでいたり、研究者が産業技術に興味を持っていなかったためと思われる。
 この状態から産業研究へ転換しようというのだから並大抵ではない。

 しかし、この状況を見て、安心した人も多い。
 今迄産業化に興味を持っていなかった研究者が、コストを全く考えずに、気軽にTLOに特許化やライセンス先探索を要求し始めなくてよかった、と考えているのだ。


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