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2002.12.23 |
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一周遅れのトップランナー…ゲノム解析結果を用いて医薬品のタネを探す研究に注力している日本企業にお邪魔した。この企業は、解析技術が未確立で、本当に成果がでるか不透明な間は、様子見に徹していた。技術がほぼ確立し、所要コストが低下し始めた時期を見計らってから、本格的研究に踏みきったのである明らかに後発なのだが、次々と成果が上がっているという。欧米に比べて遅れて始めているが、現在は徹底的に注力しており、発見した医薬品候補の数では負けることはない、と誇らしげである。 候補数で見れば、おそらく世界のトップクラスに肉薄している、と語る。候補品ラッシュで、大喜びなのである。 日本がゲノム分野で遅れているとの見方は一面的だと主張したいようだ。 先行企業といえども、すべてのターゲットをカバーできないから、後追いで、十分戦えると考えているのだ。確立した手法を用いて効率で勝負しようとの算段である。 日本企業がずっととり続けた戦略で勝負するつもりだ。 そこで、違った角度からの質問を試みた。 臨床開発は、候補品発見の研究と違い、多額の資金がかかる。候補品すべてを臨床移行する訳にはいかない。品目をどのように絞るのか、聞いてみた。 すると、今までのテーマ選定の経験を活かせばよいだけ、との答えが返ってきた。従来の仕組みで対応するつもりのようだ。 この分野でも、後発に徹するようだ。 候補数が増えても、臨床途中での脱落や、発売直後の副作用の失敗が増えれば、効率アップにはならない。 従って、欧米企業では、副作用が発生しそうな候補品を避けるため、前臨床における試験項目を増やし、スキルを蓄積してきた。候補品が多いのだから、脱落リスクを抑えて、効率上昇を狙うのは当然といえよう。 1周遅れのトップランナーは、レースの規則が変わり始めていることに気づかないようだ。 苦笑いの目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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