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2003.7.1
 
 


真実を語るNHKニュース…

 海外からの訪問者の信用を失った話をきいた。

 英語に堪能な社員が訪問者につきそっていたのが裏目にでた、という。

 TVニュースが流れていた時、たまたま訪問者が画面を見ていて、その内容を尋ねたという。おそらく、日本で、何がおきたのか気になったのだろう。
 つきそいが、アナウンサーの言葉を伝えたらしい。これが悪かった。

 といっても、誤訳や、不味い部分をカットした訳ではない。そのまま正直に語っただけだ。
 ところが、聞かされた方は、こんな馬鹿げたニュースがある筈が無いから、都合が悪いことを隠して伝えた、と見なしたのである。たったこれだけのことで、信用喪失に繋がったらしい。

 英語が堪能なくせに、わざと情報を伝えない輩、と誤解されたのだが、一端、こうなると、どう説明したところで、火に油を注ぐようなものである。社員の好意が逆効果になってしまったが、災難と思ってあきらめるしかない。

 一体どのようなニュース内容か気になるかもしれないが、単に、株主総会ラッシュを伝えただけのニュースである。

 NHKニュースだろうから、報道内容は想像がつく。おそらく、会場に次々と入場する株主のシーンを背景に、アナウンサーが真顔で、「赤字企業の株主総会を控え、機関投資家は企業業績に関心を示しています。」とか、「経営者には、明確な経営方針を打ち出すことが求められています。」と語ったのだろう。
 海外の訪問者から見れば、BBCレベルの放送局が、これほど馬鹿げたコメントを流す筈がない、と感じただろう。
 そもそも、資本主義の社会で、利益に関心を持たない機関投資家が存在する筈が無いし、曖昧な経営方針で企業の経営者が勤まる訳がないから、当然の反応である。

 これを、お座なり報道と見なすべきでない。

 ・・・アナウンサーが語ったのは日本の真実の姿である。
 従って、内容は100%正しいと、胸を張って語るべきだった。そう主張しないのだから、信用を失って当然だ。


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