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2006.1.23
 
 


大学の研究室管理のお粗末さ…

 「大学の考える“知財”は軽薄そのもの」と語る企業の研究者にお会いした。

 大学と一緒に仕事をして、とても我慢できなかったのだろう。

 そもそも大学の研究室は収益を目的としていないから、実用的な結果より、論文にできる科学的内容を追求しがちだし、スケジュールは学会優先だから、なかなか企業とは波長があわない。
 それを前提として、おつきあいしていたと思うのだが。

 そこで、それとなく聞いてみた。

 すると、不満の原因はそんなことではなかった。

 企業に対する対応は結構よいようで、スケジュールもしっかり守ってくれるし、仕事も力を抜かずにやってくれたそうだ。
 もっとも、大学によって差は大きいらしいが、お付き合いした大学は、ここ数年で見違えるほど変わったそうだ。
 研究室を選べば、結構上手くつきあえるらしい。

 ところが、現実に実験を行なっている人達のところに行って驚いたという。
 昔の大学の研究室の運営そのものだったという。

 実験ノートは個人が勝手につけており、どこにデータがあるのか、すぐにはわからなかったらしい。
 これが、知財を重視するという研究室の実態のようだ。

 ここまでなら、大学は遅れているなで終わったかもしれない。残念ながら、企業でも、その程度のマネジメントで平然としている企業もあるからだ。

 しかし、この方が我慢できなかったのは、大学の研究者の一言だったようだ。

 今行なっている研究で成果がでたら、米国特許を出したいと語ったのだ。

 日本の大学との共同研究に当たっては、研究室の実験管理体制構築から始めないと、後でえらい目にあうというのが、この研究者の主張である。


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