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2006.12.12
 
 


朝青龍ファンの話…

 知らない人の方が多いかもしれないが、“巨人・大鵬・玉子焼き”と言われた時代がある。サラリーマンが相撲を話題におしゃべりしていた頃だ。
 この言葉通りの、相撲好きビジネスマンといえば、どんな人か想像できよう。

 ところが、最近は、それが通用しなくなってきた。朝青龍のファンだというからだ。大いに驚いた。

 時代も変わったものだ。

朝青龍関成績
優勝 休場
2006 4 1
2005 6 0
2004 5 0
2003 3 1
 確かに、強さと言う点では、朝青龍関(1)の強さは際立っている。
 しかし、おそらく、一番お嫌いなタイプの力士だと勝手に想像してしまった。これが、全くの逆だった。

 この横綱、圧倒的に強いから、ファンが増えて当然な筈だが、それほどでもないのである。
 と言うのは、激しい闘志をむき出しにする性格で、思ったことを口に出すから嫌がる人が多いのだ。

 “巨人・大鵬・玉子焼き”世代だから、当然、お嫌いと見たのだが、この性格が好きになったらしいのである。

 この横綱、勝った時は本当に嬉しそうである。話も面白く、場が一気に盛り上がる。2006年でいえば、「まいど、大阪!」の一言が一番うけたようである。なかなかのエンタテナーだ。
 何事かを、モゴモゴと語り、「頑張ります」しか言わない、個性の欠片も感じさせない力士達とは対照的だ。

 ところが、一旦負けると態度が豹変する。悔しさで、気が立ち、顔色さえ変わる。八つ当たり発言や腹癒せの行動で問題をおこすことも多い。

 どう見ても、相撲というよりプロレス向きだ。プロレスなら人気爆発だろう。
 しかし、相撲でこんな態度をとられては、こまるのである。
 そこらの格闘技とは、品格が違う、“国技”との自負があるからだ。

 横綱は、常に謙虚な態度を貫き、どんな挑戦にも堂々と受けて立つ“大人”でないとこまるのである。

 言うまでもないが、こんな要求は無理筋である。
 対戦相手にその場で臨機応変に対応できる鋭いセンスこそ、この横綱の力の根源だからだ。この勝負勘を殺して、勝てというようなもの。

 もっとも、「平成の大横綱」に対抗する力士の方は、こうした“謙虚な姿勢”要求に100%応えている。どの取り組みも、まさに品行方正そのもの。なんとしても横綱を負かそうとの気概を見せるのは下品なのだろう。

 くだんのビジネスマン氏が、朝青龍ファンになった理由がわかる気がする。

 部下に朝青龍タイプはいないのである。
 そして、大相撲同様に品行方正なサラリーマンばかり。日々の点取りに明け暮れる“社内競争”を繰り広げる人達に、いつも取り巻かれている感じがするのだろう。

 ・・・という話になったのは、企業の社内研修の進め方を議論していた時のこと。
 その後、話が盛り下がったのは言うまでもない。

 --- 参照 ---
(1) ウィキペディア http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E9%9D%92%E9%BE%8D%E6%98%8E%E5%BE%B3


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