>表紙 >目次 | ■■■ 聞き耳アワー 2013.10.3 ■■■ | |
| お医者さんの言葉以下、耳にした酒飲み話し。 「クラス同じだったから、○○君知ってるだろ。 彼、今、○○大学病院で医者やってんだ。 俺、ずっとかかってるんだけどサ。・・・ それがナー。 こないだ飲んでたらヨー。 なんと、 医者なんて易者みたいなもんと抜かすのだゼ。 ソリャ、そうなんだろうが、 言い方ってものがあるだロー。 俺は患者なんだからな。」 「じゃあ、 競馬の予想屋ならイイのか。」 「ハハハ。 まあな。 でも、予想屋の方が余程当たるかも知れん。」 「ソリャ、当たり前だせ。 毎日、馬がどうしてるか見てるんだから。 患者がどんな生活してるのかなど見なくて、 予想が当たる訳がなかろう。 病院で緊張してる時に測ったデータだけで 不調の原因を予想するんだから。」 「考えてみれば、外科が威張るのも無理ないな。 あちらさんは、予想屋じゃないからナ。 自動車整備工か。」 「と言うか、完璧な職人だよ。 俺の胃癌などササッと切って終わりだゼ。 こちとら命を張った大手術気分なのに。 つまらん手術らしくて、 終わったから、早く病院から出て行けだゾ。 冷たいのなんの。 医者と一緒の生活は御免だけどナ。」 どこにでもありそうな下らぬ会話だが、重要なポイントを指摘していそう。 何回か書いたが、小生、昔、大学病院の「イボ外来」に通ったことがある。小さく、ほったらかしでも生活上なんら支障は無いが、増えでもしたらたまらぬからということで。ところが、たまたま、イボ命の専門研究者に診てもらうことになってしまった。今思えば、多忙な先生に、素人とのつまらぬ会話に時間を潰させてしまい申し訳なかったが。 忘れられないのは、こんなお言葉があったから。 「全く効かない薬ならあるけど、 欲しいなら、出しとく。 どうする。」 上記の会話を踏まえて、この話を取り上げるとしたら、このような解釈になる。 「君はデータ見ていそうだから、この薬は効かないな。 でも、どんな影響が出るのか興味はあるだろう。 飲んでみるのも悪くないと思うが。」 この理屈、おわかりだろうか。分かる訳ないか。 実は、この病気、薬を出さないとなかなか直らない。小生は、この手の話題は触れないようにしてきたが、これが現実。つまり、この薬は効くのである。確か、短期間で治るのが3割という数字があったような。(短期といっても比較であり、すぐに治ることはない。)この手の病気では驚異的に高い数字と言えよう。・・・なにせ、一種の良性腫瘍だからだ。 しかし、先生は、小生に対しては効かないと断言したのであり、ここだけ見れば不思議ではないか。 だが、科学的に見ればどうということもない話。プラセボでも同程度の効果が得られるからである。それなら止めればという意見もあろうが、それはお医者さんにとっては、えらく拙いのである。薬を全く投与しないと、完治率は極めて低いという数字もあるからだ。 コレ、なかなか含蓄あるお話ではなかろうか。 イボは、ヒトが持っている免疫機能によって治癒すると考えられている。実際、おとなしいイボだと、1年もすると自然消滅ということもあるからだ。それが無理でも、縮小気味で、一生そこに留まるだけで済んだりすることが多いと言われてる。 もちろん素人の見方。それを示す統計がある訳ではない。逆に、そうならない例は数限りなく存在する。 そうそう、なかには、免疫機能が活発なヒトもいる。思わずそれを羨ましいと考えがちだが、そういう訳にもいかないのだ。イボが急激に発熱赤色化して、日々、耐え難い症状を呈することになるからだ。もちろん、それが暫く続いて完治はするのだが。 一方、機能が余りに弱いと、イボが頑張って広がり始め、えらいことになったり。こちらは重症化すると厄介である。 こういった状況を見ていれば、こう考えるのが自然では。・・・ ほぼ全員、イボは発症する。ただ、免疫機構のお陰で、気付かないレベルで消されるものが大半。それを乗り越えたイボが発見されるにすぎまい。 そうだとすると、どう対処すべきだろうか? 常識的には、余り多くのイボが生まれないような生活をした方がよいとなるが、そんなこと気にせず、気分よく生活して免疫機能を高めるべきだと考える人もでてきておかしくない。 そこで、両者の兼ね合いを図れという主張をしたくなる訳だが、今の社会でそんな姿勢を見せると異端者扱いされかねない。くれぐれもご用心のほど。 → リスクの合理的判断のお話 [2013.9.30] 苦笑いの目次へ>>> トップ頁へ>>> |
| (C) 2013 andDManagement.com |