表紙 目次 | ■■■ 「酉陽雑俎」の面白さ 2017.1.30 ■■■ ゲームの名人「續集卷四 貶誤」には、「藏鉤ゲーム」の話が収載されている。 [→]大流行したらしい。【賦】があるくらいなのだから。・・・ 晉 庚闡:《藏鉤賦》曰: 歎近夜之藏鉤,復一時之戲望。以道生為元帥,以子仁為佐相。 思蒙籠而不啟,目炯泠而不暢。多取決於公長,乃不咨於大匠。 鉤運掌而潛流,手乘虚而密放。示微跡於可嫌,露疑似之情状。 輒爭材以先叩,各鋭志於所向。意有往而必乖,策靡陳而不喪。 退怨歎於獨見,慨相顧於惆悵。夜景煥爛,流光西驛。 同明誨其夙退。對者催其連射。攘袂以發奇。探意外而求跡。 奇未發而妙待。意愈求而累僻。疑空拳之可取。手含珍而不摘。 督猛炬而摶セ。從因朗而心隔。壯顏變成衰容。神材比為愚策。 [「藝文類聚」巻七十四 巧藝部 藏鉤] 勘よりは観察で見抜こうとしがちな成式にとっては、このゲーム、余り得意ではなかったかも。 そう思うのは、「卷六 藝絶」に、このゲームの名人が登場するからだ。余程、感じ入ったに違いない。・・・ 舊記藏彄令人生離,或言古語有徵也。 舉人高映,善意摳。 成式嘗於荊州藏鉤,毎曹五十餘人,十中其九。 同曹鉤亦知其處,當時疑有他術。訪知映言,但意舉止辭色,若察囚視盜也。 山人石旻,尤妙打彄,與張又新兄弟善。 暇夜會客,因試其意彄,註之必中。 張遂置鉤於巾襞中,旻曰: 「盡張空拳。」 有頃,眼鉤在張君襆頭左翅中。 其妙如此。 旻後居揚州,成式因識之,曾祈其術,石謂成式曰: 「可先畫人首數十,遣胡越異辦則相授。」 疑其見欺,竟不及畫。 小生は、ババ抜き的な、一種の心理読みで当てることができると見た。 参加者の表情や仕草の微妙な変化を感じ取れると、大当たり連発ということでは。 成式先生も、よく当たる名人の話を聞いた当初は、ソリャ、インチキに決まっている思っていただろう。ところが、実際に目にしてしまうと、そうとは思えなくなり、おおいに頭を捻ったに違いない。 しかし、解ける訳もない。 だが、なにか秘訣がある筈と見ていただろう。おそらく、その技を教えて欲しかったに違いないが、かなわずといったところ。裏山鹿の世界。 (参考邦訳) 段成式[今村与志雄 訳]:「酉陽雑俎」東洋文庫/平凡社 1980・・・訳と註のみで、原漢文は非掲載. 「酉陽雑俎」の面白さの目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2017 RandDManagement.com |