表紙 目次 | ■■■ 「酉陽雑俎」の面白さ 2017.7.11 ■■■ 蟹観察三昧[4:訳わからぬ]長さ9尺のムカデ型の蟹が棲んでいるとされると、流石に推測してみようとの気が萎えてくる。・・・善苑國出百足蟹,長九尺,四螯。 煎為膠,謂之螯膠,勝鳳喙膠也。 出典はコレ。・・・ 善苑國嘗貢一蟹,長九尺,有百足四螯,因名百足蟹。 煮其殼勝於黄膠,亦謂之「螯膠」,勝於鳳喙之膠也。 [漢 郭憲:「洞冥記」卷三] 大蟹ならまだしも。 椰子蟹とか、兜蟹[→]といった大型種がいるからだ。・・・ 嘗有行海得州渚,林木甚茂,乃維舟登崖,繫於水旁,半炊而林沒於水,其纜忽斷,乃得去,詳視之,大蟹也。 [「嶺南異物志」@太平御覽] 蟹の足の数は10本の筈である。もっと多いとしたら蟹ではない。やどかりは確か8本だったと思うが、調べていない。しかし、蝦になると、胸に10本、腹に10本あり、これは百足とまではいかないが、ゲジは15対だから、結構いい勝負である。 小生は、深海棲の大王具足虫的な生物が好みだが、そうもいくまい。 ただ、粘着剤の膠/煮皮/にかわが採れるのかという点で難しそう。蛋白質系のゼラチン質は、浮遊生物や魚には多いが、歩く甲殻類系は考えにくい。海産物の膠と言えば、鰾膠/にべの浮袋と決まっているようなものだし。 ゼラチンとはコラーゲンで水分を閉じ込めたようなものであり、甲殻類の殻にもコラーゲンが含まれているだろうから、理論的には膠を作れなくはないかも知れぬが、ありえぬ話だろう。 しかしながら、腸が長ければ、その中にゼラチン質が存在している可能性はあろう。 (参考邦訳) 段成式[今村与志雄 訳]:「酉陽雑俎」東洋文庫/平凡社 1980・・・訳と註のみで、原漢文は非掲載. 「酉陽雑俎」の面白さの目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2017 RandDManagement.com |