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☀ 📖■■■ 「酉陽雑俎」の面白さ 2017.11.3 ■■■
洛陽大邸宅に植わる唐撫子の病気
風光明美はいいのだが。・・・東都勝境有三溪。
今張文規莊近溪，
有石竹一竿，生癭，今大如李。
張文規は一門三代都官至宰相[三代相門}ということで知られていた。確かに、それだけのことはあって、落陽名勝の渓谷の側に大邸宅を所有していたのである。
次北思順坊，隋有諸葛穎宅。唐有楊纂宅，張嘉貞宅。嘉貞子延賞，延賞子弘靖，皆為相。其居第亭館之麗，甲於洛城，子孫五代，無所加工，時號三相張家。 [「河南誌」]
そこに石竹が一本あった、と。
当時、石竹/唐撫子/China pinkは"洛陽花"と呼ぱれていたようで、人気の花だったのは間違いない。
それが伝わって、日本でも、"草の花は撫子。唐のはさらなり。大和のもいとめでたし。"[「枕草子」64段]と言われていたのはご存知の通り。
従って、観賞用栽培種は多岐にわたっていたのではなかろうか。
珍種探索が激しかったようだし、商業園芸も大いに盛んだったようだから。[→]
虫癭ができるとの指摘だが、セキチクにできると聞いたこともないので、調べていない。一般には癭蝿、癭蜂、アブラムシが３大原因だが、それにしても大きすぎる感じがしないでもない。
(尚、石竹系で知られている害虫としては、外来種のようだが、荷蘭石竹小卷蛾/Omnivorous leafrollerと荷蘭石竹卷蛾/Carnation tortrix。類似の土着種も存在しているに違いないが、虫癭作りの虫ではなさそう。)
そうなると、ウイルスかも知れない。
場所はいいのだが、手入れ悪しだネ〜ということか。
(参考邦訳) 段成式[今村与志雄 訳]:「酉陽雑俎」東洋文庫/平凡社 1980・・・訳と註のみで、原漢文は非掲載.
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