表紙 目次 | ■■■ 「酉陽雑俎」の面白さ 2017.11.12 ■■■ 鼠塩を引く鼠食鹽則身輕。鼠は穀物を狙うので大敵であるが、中華帝国では自らの宗族繁栄がすべてに優先する命題だから、鼠算的に子孫を増やす鼠の能力は垂涎モノ。従って、その地位はそう悪くはなさそう。 → 「十二支の「鼠」トーテム発祥元を探る」[2015.10.7] 日本人だとすぐに、"鼠塩を引く。"[意味: 積少成多。]という諺を想いだしてしまう。 これは「偸偸鼠経」の"老鼠批量偸竊家鹽"から来た言葉というのは、もちろん鼠色的嘘。 マ、塩引誘生命力旺盛的老鼠なのであろう。そして、"蝙蝠是老鼠偸鹽吃變來的"という伝承話が重ね合わさった結果を示しているようにも思える。 もともとが"胆小"の鼠であっても、塩を得ることができると、一人前になった気になるということかも知れぬ。 ただ、「養鼠玉のかけはし」@1776年に殺鼠剤について言及していて、そこに"鼠塩を食ひて身軽く。砒霜をあたふれは。即死す。"とあるそうナ。 [安田容子:「江戸時代の戯文にみる鼠害対策と鼠に対する動物観」国際文化研究@東北大学国際文化学会 第20号 2014年] (参考邦訳) 段成式[今村与志雄 訳]:「酉陽雑俎」東洋文庫/平凡社 1980・・・訳と註のみで、原漢文は非掲載. 「酉陽雑俎」の面白さの目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2017 RandDManagement.com |