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2000.3.18
 
 


「学力低下が企業を殺す」…

 1994年、週刊ダイヤモンド(3月5日号)で西村和雄先生が、「入試制度改革が基礎学力のない大学生を生んでいる」との警告を発した。企業の研究マネジメントの方々も技術立国の基盤が揺らぐ可能性があると、気にかけたと思う。それから数年。

 いよいよ、その警告が現実化し始めた。思考力も乏しく、論理性に欠ける「優秀な学生」が、企業に入って来た。「メーカーは人気薄なので、どうも一流の頭脳は来たがらないようだ」とおっしゃる研究所長もおられるが、実は「優等生」を採用しているのかもしれない。
 大学や研究機関の指導者のなかにも、「箸にも棒にもかからぬ学生が研究室にいる」とおっしゃる方々がおられる。特に、産業技術に関係する先生方の危機感は相当なものだ。「このままでは、欧米と互角に戦う自信が持てない」と弱音を吐く方までおられる。

 このような話しをすると、少数の逸話で危機感醸成を図ろうという姑息な主張と感じる方もあろう。是非、生のデータと現場の声に触れて頂きたい。実態は想像以上である。西村先生は「学力低下が企業を殺す」とおっしゃっているが、まさに図星である。

 


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