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2000.10.1
 
 


ケータイの威力…

 高校教諭と話す機会をもった。

 産業界の人々は高校生の実態を知らなすぎると、お叱りを受けた。「高校生が大きく変わったことに、今もって気付かない人が余りに多すぎる。」というのだ。特に、ケータイ利用者の中心が学生であるのを知っているのに、実際、どのように使われているかを理解していない、という。

 最近は、ほとんどケータイ中毒と呼べそうな高校生もいるそうだ。授業中でも平然とケータイをつかってメール交換をしているという。

 何故こんなことが起きているのだろう。
 教育現場の指摘は、『通学意義の変質』だ。高校入学の目的は、友達をつくるだけ、というのが現実だという。当然、学校で学ぼうという意識は皆無である。
 ここで注意を要するのは、今の高校生は、昔と違い、リッチな点だ。昔は、アルバイト学生は例外的だったが、今は逆だ。欲しいものは、アルバイト収入で入手する。もちろん、ケータイ利用料も自ら支払う。今や、産業を支える一大消費層なのである。消費には大いに興味があるが、将来のための勉学への興味はないのである。

 但し、高校生すべてが、このような状況という訳ではない。極く一部には、偏差値競争に明け暮れる、「勉強する」高校生がいる。大多数の高校生は、こうした生活には興味がないのだ。産業人が知る高校生は、実は特殊な学生なのである。

 教育現場から見れば、この状況を変えることは「原理的に」無理だという。新しい教育方法や、魅力的な施設無しで、彼等を惹きつける授業はできないと考えているのだ。確かに、アルバイトを通じて実社会を知っている高校生に、教育の重要性を説く「精神論」で対処しても効果はあるまい。
 ということは、このままの教育を続ければ、高校教育は自滅するのだろうか。

 お先真っ暗だが、「画期的な解決策はあるよ。」と笑いながら教えてくれた。
 日本の先進的企業がインターネット教育を始めれば、高校生なら、皆とびつく。「課外」用に使われるケータイやMDプレーヤーでなく、「課内」用のインターネット機器・サービスを提供して欲しいのだ、とのこと。
 悪乗りして、どの企業に期待しているのかをたずねたら、思った通り、E-ビジネスを進めようとエンジンをかけている企業名があがってきた。


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