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2000.11.27
 
 


アカデミズムの重点領域研究…

 アカデミズムで重点領域とされる研究組織が、企業関係者の間で話題となっている。

 ハード、ソフトの融合的な総合プロジェクトが発足した。参加研究者も多い。成果に期待するジャーナリストもいるようだ。---聞こえは良い。

 しかし、企業人の視点からは、どう見ても、雑炊的集まりにしか見えない。
 何十ヶ所もの大学や研究機関から代表が集まるのだ。この体制で、テーマの進め方を議論できるとはとうてい思えない。いわば、学会の新創設分科会に「補助金」がおりたようなものだ。参加者各自の好みで研究を進め、最後に全員が「大会」で報告し、責任者が報告書にまとめるのであろう。よくある「成功裏」完了が約束されたプロジェクトに見える。

 強力な研究開発を進めたい場合、普通は、まず拠点を設営する。そこに頭脳を集中させることを第一義に考える。その拠点の活動から見て、助力になるとか、補完的な活動が可能な人達がいる場合、一緒になってプロジェクトを進める。その判定は、拠点に集約された頭脳が戦略方向を定めてなければ、できかねる。普通は、拠点ができるということは、そこに「戦略提起」者の集団が存在する。
 拠点が曖昧な、散逸した組織では、成果はあがらない。方向性をタイムリーに打ち出せないからだ。
 従って、重点領域ならセンター創設、あるいは主力研究機関を最初に明確にすべきである。

 アカデミズムは優秀な人材を集めて坩堝のなかに突っ込む仕掛けは大嫌いなようだ。恐らく、研究意欲も無く、研究マネジメント能力も無い「権力者」が、坩堝のなかでは生きていけないからだろう。


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