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2001.2.28
 
 


基礎学力喪失の時代…

 文部省は2002年になんとしても新学習指導要領の施行を行ないたいらしい。

 知恵で戦う産業へ進む時代なのに、逆行する動きになりかねない施策だ。ところが、産業界に危機感がない。

 その理由は、「ゆとり教育」という名称だ。「ゆとり」ができれば、創造性を高める方向に進むと考えがちだ。しかし、これはレトリックではないだろうか。実態を見ると、基礎学力を育てる時間を削ることを「ゆとり」と呼んでいるとしか思えない。

 具体的な指摘を眺めると唖然とする。(全国連合退職校長会「日本の教育はこれでいいのか-教育改革への提言-」表現社、2000年6月)
 ・小中学校は9年間だが、これが、今までの8年間の時間になる。(簡単に週2時間減らすと見るべきでない。生産性向上で時間を減らせる企業とは違う。教育には絶対的な時間が不可欠である。)
 ・主要5教科は内容を3割減らし、後送りさせる。(中学の分が高校に、高校の分が・・・、となる訳だ。)
 ・例えば、小学校算数では、
  -『時刻』の読み方を削除する。
  -3年生の分数、小数は、4年生に移行する。
  -円周率は3.14は難しいなら、3で構わない。

 基礎学力が無くて、思考力や創造力を高めることが可能とは思えない。
 少なくとも、基礎学力をつけさせる体制を弱体化させる動きだけは避けて欲しい。


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