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2003.2.4
 
 


科学研究費問題(1:流用)…

 2003年1月、突如、「東大医学部教授、科学研究費不正流用」との報道が流れた。2ヶ月前に週刊誌が取り上げたため、大学当局が急遽調査し、結果を公表した模様だ。
 科学研究費をプールし、規定外経費に使った、という。一部が研究室改修や椅子/机の購入にも回ったようだが、大部分は非常勤職員の人件費に充当されている。
 この事態に対し、誰の意見かわからないが、総額返還、との主張もあるようだ。(http://www.yomiuri.co.jp/04/20030131i313.htm)

 規模の大小の違いはあるが、このような流用は、どこでもある話だろう。
 冷静になって考えれば、経費流用が発生する理由は、素人でもわかると思う。

 例えば、・・・
 ・手元に自由に使える現金無しで、まともなラボ活動が可能だろうか?(アイデアが浮かんでも、すぐに必要なモノが買えず、実験することさえできない。)
 ・学会出席旅費や論文掲載経費の項目がなければ、そのような活動を自粛すべきだろうか?
 ・研究を進めるために人が必要でも、人件費の項目がなければ、雇用をあきらめるべきだろうか?(他の経費を削れば、雇用費捻出は可能なのだ。)

 ・・・ということは、「杓子定規に当てはめれば違法だが、私的流用さえしなければ、研究遂行にとって不可欠な流用はいたしかたあるまい。」がアカデミズムの常識と見てよいだろう。
 従って、本気になって調査すれば、全国津々浦々、同様例はいくらでも見つかるに違いない。

 これが実態になって久しいにもかかわらず、未だに仕組みが変わらない。管理者が統制力を維持したいからだ。このため、「お目こぼし」状態が続くのである。
 こうした権威主義的な管理者を支えるのが、計画経済型研究開発プロジェクト運営を是とする人達である。未だに、計画通りにモノを購入し、お金をかけて実験を進めれば成果があがる、と考えているようだ。このような人達の主張に従う限り、創造性発揮は期待薄だ。

 流用問題解決を通じて、このような思想から早く訣別を図るべきだろう。 ・・・ 


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