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2003.3.5 |
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授賞者の扱い…マスコミは、ノーベル賞受賞者のプロフィール紹介に忙しい。タレント同様の扱いである。マスコミは仕事の性格上、やむを得ないかもしれないが、マスコミ以外も、同じ様な動きをくりひろげているようだ。 数多くの政府機関や学術機関が、様々なポストを用意し、授賞者のアドバイスを求めている。・・・有名人を起用して、組織のネームバリューを上げようと考える人は多いだろうから、こうした動きは極く自然なもの、と考えがちだ。 ところが、そうと思えない動きが、そこかしこで発生している。教育体制や科学技術政策立案への関与を期待する動きがあるのだ。 もちろん、世界屈指の頭脳だから、知恵を借りれば、プラスに働く可能性は高い。 しかし、専門性が活かせる分野と、そうでない分野がある筈だ。 例えば、巨大科学で活躍している人に、産業技術振興策の議論に入ってもらっても、意味があるとは思えない。職人肌の研究者がマネジメント論に寄与できるとも考えにくい。 ところが、そのような見方をする人は少ないようだ。ノーベル賞受賞者はスーパーマンと見なされる。 その一方で、ノーベル賞受賞クラスの頭脳の扱いは、冷淡そのものである。 典型が、小川誠二博士への対応だ。 小川博士の研究成果で、MRIを用いて、人体を傷つけずに脳内を見ることが可能になった。生理現象によって生じる信号変化を視覚化する原理発見のお蔭だ。まさに、ブレークスルーといえよう。 しかし、国内では余り取り上げられなかった。原理の方より、脳の記憶部位がわかった、との応用研究の方が、喧伝されていたからである。 2003年、「日本国際賞」を授賞され、ようやく国内で知られるようになった。(http://www.japanprize.jp/2003_j2.htm) ところが、それだけだ。なんの動きもおきないようだ。 日本の組織が見せる、ノーベル賞受賞者に対する態度との落差には驚かざるをえない。 ご本人が「ポストに興味がない」からとも思えない。(http://www.mainichi.co.jp/eye/hito/200212/28-1.html) 日本の組織は、海外で活躍した人のアドバイスは、できれば聞きたくないのだろうか。 教育の危機の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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