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2004.6.10 |
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小6事件の背景…小6事件(2004年6月1日)に関するニュースを聞いていると、事件の全容解明を目指しています、とのコメントばかり目立つ。「詳細な調査で再発の防止を」(1)という声に応えているのだろうが、何を調べているのか、もう少し親切に説明して欲しいと思う。 報道によれば、カッターナイフで首を深さ10cmも切りつけ(2)、その場で死ぬまで待っていたという。(3)計画的で残虐な殺人である。 このような凄惨な事件が学校内で発生すれば、誰でもが仰天する。 家族の方の衝撃と悲しみははかりしれない。 こんな時は誰でもが、先ず最初に「何故だ?」と考える。 といっても、本人以外、本当の所はよくわからないから、「行き過ぎた報道を危惧する」と主張する人までがマスコミに登場して意見を述べることになる。(4) しかし、動機は語られている。 「インターネット(チャット)上で、自分のことについてAさんが書き込んだ内容が面白くなかった。いすに座らせて切った。殺すつもりだった」、と供述したそうである。この内容が本当なら、言葉で傷つけられたことに対する報復と見るのが自然だろう。 (もっとも、「いじめ」と言えそうにない書き込みだった可能性もあるが、そうした指摘は見かけない。) 心理学者は、殺人に至った遠因を児童間のインターネット・コミュニケーション問題と捉えるようだが、違和感を覚える。(5) コミュニケーション上のトラブルで一挙に計画的殺人に至るとは思えないからだ。 心の深いところを傷つける言葉やとんでもない中傷を、ノートへ、暴力的に書き込まれることもあるのだから、インターネットでなくても、同じような問題は発生していると思う。 耐えられないほどの痛手を与えていることに気付かないで、言葉の暴力を続けていれば事態は悪化する。 もしも、この事態を放置すれば、最終的には、報復か自殺を選択せざるを得なくなるかもしれない。 しかし、大抵は、そこまで進むことはない。周囲がこうした動きを察して、なんらかの対応をとることが多いからだ。このことで、最悪の事態を回避してきたのが実情ではないだろうか。 従って、インターネット上の問題とは、コミュニケーション上でトラブルが発生することではないと思う。トラブルが発生しても、外からはうかがい知れない点が問題なのだ。状況が見えないから、トラブルを放置してしまうことになりかねない。 そのため、一気に、悲劇的な段階までつき進んでしまう可能性が高い。 難しいが、周囲が、子供の態度の変化に十分注意を払うしか、対処方法は無いのではないだろうか。 --- 参照 --- (1) http://www.kumanichi.co.jp/iken/iken20040606.html (2) http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20040606it11.htm (3) http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20040607it05.htm (4) http://www.n-seiryo.ac.jp/~usui/syounen/2004/sasebo.html (5) http://www.n-seiryo.ac.jp/~usui/syounen/2004/sasebo2.html 教育の危機の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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