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2004.12.16 |
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読解力低下の理由…2004年12月7日、OECDによる15才(日本では高校1年生)の学習調査「PISA 2003」の結果が公表された。(1)これによると、「Science」は前回と同じ2位。 新たに登場した「Proble-solving」は4位で、どちらもトップレベルである。 しかし、今回メインになっている「Mathematics performance」では、前回の1位から6位に落ちた。点数ではトップとたいした差はないが、圧倒的な地位は維持できなかったのである。 一方、酷い成績だったのが、「Reading」だ。8位が14位だ。しかも、平均点以下の成績しかとれなかった。 この結果、大臣が「我が国の学力が低下傾向にあるとはっきり認識すべきだ。文科省はショックかもしれないが、大臣就任前からそう考えていた。」と語らざるを得なくなった。(2) 今まで、産業界が、学力低下をいくら指摘しても、専門家と称する教育の権威者達は、その証拠など無いと言い張ってきたのだが、現実のデータではっきりしたと言えよう。 そもそも、こうしたデータなど示されなくても、読解力低下は当然の流れである。 生徒が勉強しなくなったからである。 しかも、ゆとり教育と称した、勉強量削減策が採用されたから、この傾向はさらに進むことになろう。 しかし、権威者は、ゆとり教育は正しいと言い続ける。 → “「ゆとり」教育のドグマ化 ” (2000年8月9日) 問題はゆとり教育ではなく、学習意欲の低下だから、この方針は正しいと主張し続けているのだ。 学習意欲低下が大問題なのは、当たり前である。 リアリズムに徹するビジネスマンは、ゆとり教育導入で学習意欲が向上するとは思えないから反対しているのである。 内容を厳選すると言うが、生徒にとっては勉強が易しくなるだけのことである。常識で考えれば、勉強時間は減る。 ゆとり教育を進めると、生徒の学習意欲が湧いて、学習時間が増える、と言うなら、学習時間が増えている証拠を是非見せて欲しいものである。 そもそも、「小4生以降になると、学習時間が長いほど、成績がよい。」(3) 学習時間と学力には正の相関関係がある。(こんなことは、データを示さなくても、常識でわかると思うのだが。) 従って、リアリストは、ゆとり教育で勉強時間が減れば、学力低下に繋がると考えるのである。 もともと、前回の「PISA 2000」の結果から、何が問題か見えていた筈だ。 記述式のような、自分で考えて答えるしかない問題で、日本だけが、無答が多かったのである。(4) 考えることを避けているのだ。言い換えれば、面倒な勉強は御免こうむる、ということに他ならない。 おそらく、読みとって内容を理解する作業も、嫌われる。「Reading」力低下は当然の成り行きだ。 そんな状況で、頭を使う「Mathematics performance」と「Proble-solving」の点数が高いのである。 どうしてか。 嫌いで、難しくて、自信が湧かなくても、学校で、時間をかけて算数を学んでいるから、としか思えまい。 社会に出てからちっとも役立たないと揶揄されながら、学校で頭を使わされる。テストでその効果が現れたのだ。 この算数を、難しいものから、易しいものに改訂するのが、ゆとり教育である。 易しくすると、落ちこぼれもいなくなり、生徒に学習意欲が湧くと考えるらしい。 易しくひけるピアノや、誰にでもできるバイオリンを提供すれば、楽器演奏を好む生徒が増えるし、学習意欲も湧き、音楽の能力が高まる、という学説があるのかもしれない。 --- 参照 --- (1) http://a455.g.akamai.net/7/455/1879/v1/193.51.65.71/dataoecd/1/60/34002216.pdf (注:教育が国際競争力と密接に関係していると考えて始まった調査である。) (2) http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/etc/oecd2004/ (3) http://www.benesse.co.jp/s/ednews/030129.shtml (4) http://www.jikkyo.co.jp/contents_data/su46_01.pdf 教育の危機の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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