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2006.2.15 |
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「素数ゼミの謎」読後感…“ほんとうに良い研究はシンプルなものなんです。一番大事なことは『根本から自分で考える』ということなんです。お仕着せの他人の研究の上に、ちょこっと自分が考えたことをのっけるのではなくて、本当に根本から考えることが大事です。根本から考えられるのは若いうちです。” >>> [出典: 「素数ゼミの謎」著者 吉村仁 氏とのインタビュー] (2005年9月)・・・と主張されていたので、「素数ゼミの謎」は是非とも読もうと思っていたのだが、あっという間に時間がたってしまった。 読もうと思いたったら、すぐ行動に移すべきだと、反省した。 とはいえ、ついに読破した。 もっとも、読破と言うほどの時間を使った訳ではない。読むと言うより、昆虫イラストレーターの石森愛彦氏の絵をのんびり眺めて楽しんだといった方が当たっているかもしれない。 たった一つの論文を絵本に仕上げただけなのだが、実に楽しかった。 大人もよいが、子供達に読んで欲しいと思う。 そう感じるのは、子供向け科学本といえば、たいていは“やさしい”解説本か“ものしり”勉強本だからである。なかには、見るからにお説教臭い本もある。たまらぬ。 知識と思想の押し売りがまかり通っている。 そんななかで、この本はどう見ても異端である。旬の研究者が、自分で自分の研究を語っているからだ。 だが、そこが素晴らしい。 題材といえば、アメリカで生き残っている、17年と13年毎に集団発生する特殊な蝉。不思議ではあるが、どうでもよさそうな疑問だから、一歩間違うとオタクの話題になりかねない。 しかし、実は逆である。 特殊な問題だが、高いところから見つめると、そこに本質的な問題が見えてくるからだ。この本はこうした視点の重要性を語ってくれたのだと思う。 ビジネスでも同じことが言える。 日々直面する問題は、小さく、特殊なものばかり。しかし、なかには、面白い問題や、一寸気になる問題もある筈だ。そう感じたら、すぐに問題に取り組もうとせず、先ずは、高いとことからじっと眺めて見るとよい。 すると、そこに、一筋の理屈が見えてくることがある。 イノベーション創出の原点とはそんなもの、と感じているビジネスマンは多い。 --- 本 --- 吉村仁著、石森愛彦絵 「素数ゼミの謎」 文藝春秋 2005年7月 教育の危機の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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