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2004.11.9
 
 


テレビ番組録画問題…

 日本のテレビ番組を、日本で録画し、海外でその録画を視聴するインターネット・サービスがある。

 一寸、わかりにくいが、海外から、日本に設置された自分のパソコンをリモートコントロールして録画し、その録画ファイルを海外で取り込んで、テレビ番組を見る仕組みである。

 テレビ番組を録画し、それを著作権者に無断で販売すれば明らかな違法行為だ。
 しかし、国内で、個人が自分で録画し、自分で視聴する限りは、個人用途なので、違法とは見なされていない。
 などと、くどくど言わなくても、家電のビデオ機器とは、そのようなものであり、皆、何も考えず録画している。

 ところが、テレビパソコンが登場したお蔭で、一体どこまでが合法なのか、よくわからなくなってきた。

 ・・・などと、のんびり話している時代は終わったようだ。

 テレビ放送側から、このサービスは著作権の侵害になるとの仮処分申立が行われ、2004年10月7日、東京地方裁判所で仮処分が認められたからである。

 著作権の侵害になると認定された、このサービスの内容は至極単純である。(1)
  ・テレビパソコンを販売し、
  ・設置、および
  ・ファイル送信ソフトをインストールするなどの設定を代行し、
  ・ハウジングサービスを行う。

 このパソコンに録画されたファイルを、海外の自分のパソコンに送り視聴する訳である。JAVAベースの録画ネット専用自動ファイル転送プログラムが用いられているという。

 パソコンでなく、テレビで見たければ、ダウンスキャンコンバーターでつなげは、テレビはパソコンより画面が粗いから、美しく見える。CDRやDVDに保存してMPEG4/DivX再生対応のDVD-Playerで再生もできる。
 海外の日本人には嬉しいサービスだろう。

 ところが、これは著作権侵害に当たるので、してはいけないサービスらしい。

 実に難しい問題である。

 この事業形態は、よくあるコンピュータのハウジングサービスと同じである。ただ、普通ならコンピュータはウエブサーバ用だが、テレビサーバというに過ぎない。
 今や、テレビパソコンは当たり前の状況だから、テレビサーバなど、マニアなら簡単に立ち上げることができる。

 実際、すでに、インターネットからブラウザで操作できるTVサーバーのソフトは安価なものが市販されている。(2)

 もちろん、マニアでなくても、市販のTVサーバーを購入すれば、インターネットと通じて外から録画の視聴を楽しめる。(3)
 設定は簡単とは言い難いが、複雑という程のものでもない。

 こうした市販の機器を使って楽しむ場合は、著作権侵害にはならないのだろうか。気になる。

 テレビ番組を個人が録画ファイル化するところまでは明らかに認められている。
 ところが、このファイルを、どこまで自由に送信してよいのか、はっきりしていないのである。
 ルールを明瞭にしないと、この産業は混乱の渦に巻き込まれることになろう。

 --- 参照 ---
(1) http://www.6ga.net/x_index.php#1013
(2) http://www.vector.co.jp/soft/winnt/net/se307544.html
(3) http://www.sony.jp/products/Consumer/cocoon/CSV-E77/yoyaku.html
  http://www.sharp.co.jp/products/hg02s/index.html
 

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