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2005.2.10 |
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インディーズ成長が本格化…2004年の日本のレコード生産額は3,774億円だった。(1)1998年の6,075億円のピークから6年連続して減少一途ということになる。 どこを見ても衰退といった印象だが、伸張していそうなセグメントはある。インディーズである。といっても、統計数字には含まれていない可能性が高く、その実態はよくわからない。2004年のオリコンのアルバムランキングでは、16位、46位、71位に登場してきたから、間違いなく急成長していると推定しているだけのことだ。(2) 3つのアルバムだけだから、目立つとは言い難いが、ランキングに登場してきただけでも、たいしたものである。ここまで来たのだから、インディーズの合計はレコード市場全体の数パーセントに達しているのは間違いあるまい。 もともと、インディーズが注目を浴びたのは、2002年、通称モンパチ[MONGOL800]が突如としてオリコン週間ランキングの1位に登場したからである。翌、2003年にはさらに様々なアーティストが登場した。 しかし、なかには、ロードオブメジャーのように、テレビ番組「ハマラジャ」の企画で誕生したものもあり、一時的な流行の印象もあった。しかも、MONGOL800やHYは沖縄のバンドだし、175Rは北九州市のバンドで、ローカルから発生した一過性の現象に過ぎないと見た人もいたようである。 だが、2004年の結果を見ると、この流れは定着したと言ってよさそうである。
ひと昔前なら、インディーズは流通基盤ゼロであり、制作能力も低いから、ほとんど競争相手にならなかった。 目にとまるようなアーティストがいれば、すぐにメジャーレーベルが引き抜きにかかるから、インディーズ自体に注目する人などほとんどいなかったのが実情だろう。 ホコ天バンドやイカ天バンドという言葉は流行したが、レコード市場への影響力はほとんどなかった。 これが根本から変わったのである。 先ずは、流通基盤が整いつつある。 ダイキサウンドや原楽器といった業者(3)が代行して、全国のCD販売店に流すことができるのである。前者は、500レーベルと取引し、3,000アーティスト、15,000タイトルを取り扱ってきたという。 そして、DTMやDTPが進歩したから、制作も簡単になった。 高性能なデジタル機器が安価になった上、小ロットならプレスせずパソコンでCD化できるから、誰でもその気になれば作れる。録音スタジオも揃っており、素人でもそれなりの品質のものができるようになっている。 とは言え、オーディオエンジニアのサポートや美麗なパッケージが欲しい人には、デジタル化サービスや、CD作成サービスも提供されている。しかも、廉価なサービスが増えているそうだ。 しかも、音楽データ制作以外の全てをまかせても、売上の3割が入ってくるし、流通だけをまかせても5割程度の収入は確保できるから、成功すれば見返りは大きい。 お陰で、インターネット上のコミュニティも活発だ。ウエブを覗くと、アーティストは1万を越えており、7万5千もの曲が登録済みだ。(4) 余談だが、これでは、「iPod」のような機器が欲しくなるのは当然といえよう。 こんな状況だから、今や、インディーズは素敵、となった訳だ。 サスケ(5)の場合、男性2人組で大宮駅前のストリートライブから始め、駅前CDショップの1店舗限定で販売した「青いベンチ」が初日500枚完売だったという。 そして、2004年10月に1st Album を販売開始し、ヒットチャートに載った訳である。テレビで紹介されたことによる効果が大きいとはいえ、メジャーレーベルのアーティストとは思考パターンが全く違うようである。 活動の一端が紹介されているが、基本はあくまでもストリートライブらしい。 渋谷駅前でゲリラライブを敢行しようとしたら、ポリスメンと町内会のオッさんに囲まれ、『何してんだ!片付けろ!』『楽器壊すぞ〜』と言われたそうだ。 確かに、現行秩序とは相容れない動きではあろう。 しかし、レコード産業が伸びるきっかけを提供する動きでもある。この動きを逃すべきではなかろう。 --- 参照 --- (1) http://www.riaj.or.jp/data/monthly/2004/200412.html#list1 (2) http://www2.oricon.co.jp/ranking/yearly_album01.html (3) http://www.daiki-sound.jp/faq/top.asp http://www.terminus.co.jp/Company/index.html (4) http://www.muzie.co.jp/ (5) http://www.teamsasuke.net/profile/pro.php メディア業界の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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