↑ トップ頁へ

2007.2.28
 
 


入場料\4,000の映画館の話…

 映画館の入場料が\4,000というのは高額な感じもする。
 しかし、今後、DVD化されるか、判然としないので見に行ってきた。

 \4,000の妥当性はよくわからぬが、DVDだと、内容が古いものでも\6,000程度が多い。従って、2名でDVDを鑑賞すれば、入場料\3,000に相当する。そう考えれば、そんなものかも知れない。
 それに、DVDは、期待外れのこともある。巧者の出演版を選んでも、実際に見ると、何か物足りなさを感じたりする。よく調べてから買わないせいかも知れないが、がっかりすることは少なくない。
 それに、まあまあ程度の作品だとDVDを二度見ることはない。と言って、売り払うこともないのだが。
 考えて見れば、コレクターは別として、素敵な作品を見たいだけの人にとっては、DVDは結構高価だ。

 ・・・実は、この話、オペラである。
 ニューヨークから光回線で映像を送ってくるという「METライブビューイング」(1)
 2月26日の開演前には、来日中の、気鋭の演出家が登場したこともあり、楽しい時間を過ごすことができた。
 映像の質と、画面の広さは、NHKが時々行う千代田放送会館でのオペラシアターと大差ない感じだが、観客を喜ばす工夫が詰め込まれていた。開演前から、画面で劇場の様子が放映されるし、幕間には、出演者とのインタビューや指揮者のコメントを聴くこともできる。ビバリー・シルズの登場だけでも嬉しい人もいそうだ。
 翌27日はミュージカル型の派手な仕掛けも多く、その舞台裏の映像が流されたから、愉快そのもの。観客を喜ばそうという熱意が伝わってくる作品だった。
 言うまでもないが、質そのものが高い。

 劇場での生は、そうそう行けるものではない。それに、顔の表情まで、なかなかわからない。画面ならではの面白さは確かにある。

 などと話したら、“ライブ”といっても録画ではないかと、言う人がいた。それはそうだが、スポーツとは時間軸が違うだけのこと。
 テレビのスポーツ放送にしても、視聴者をとれる時間枠に番組を上手く嵌めるため、時間差録画放送“ライブ”は少なくない。同じようなものである。

 技術の進歩で、コストは別にすれば、こんなことが簡単にできることはずっと前からわかっていた。
 と言うより、似たような取り組みは日本でも色々あったし、大歓迎されたとの報道も多かった。現実に、光ケーブルは敷設済みで、通信容量は余っている。それこそ“特価”で回線を提供したところで、たいした出費になる訳がない。ハードディスクが安価なのだから、この程度の取り組みは、パトロンが登場し、担当者がその気になればすぐにできる筈。

 このような取り組みをどしどし進めて欲しいものである。

 --- 参照 ---
(1) http://www.shochiku.co.jp/met/eugene/index.html
  http://www.shochiku.co.jp/met/flute/index.html


 メディア業界の目次へ>>>     トップ頁へ>>>
 
    (C) 1999-2007 RandDManagement.com