↑ トップ頁へ

2007.11.15
 
 


日本のブログの将来性…

 「現在、メディアの世界は毎日のように流動し変化しており、2年程前、インターネットに投入される広告費用はラジオ放送の広告費用を追越し、今年は雑誌、約3年後には新聞を、単純に予測すれば約6年後にはテレビジョン放送の広告費用さえ追抜くことになり、ブログの環境も当分の期間は混迷状態のまま継続すると予想される。」
 しかし、「このブログは浮上できなかった。」
 ・・・2007年10月末に閉鎖された、“メディア・レボリューション”のご挨拶である。(1)

 う〜む。

 ブログの特徴とはオープンスタンダードであること。互いにつなげるプログラムを作れるから、発展性が期待できるというに過ぎない。
 従って、巨大なコミュニティを創出する可能性もあるし、少数者しか集まらない特殊なコミュニティも力を発揮できる訳で、要は活用のしかた如何である。ポイントは、新しいコミュニティを次々と生み出す原動力になるうるという点。見方によっては、社会を変える武器と言えないこともない。
 普通、検索と言えば、GoogleとYahoo!だが、ブログの世界では圧倒的にTechnoratiのようだ。このTechnoratiによれば、1億1,000万ものブログがトラッキングできるという。そして、毎日、17万5,000の新規ブログが生まれ、160万の更新があるという。(2)
 数字はどんどん変わっていくのだろう。

 そんななかでの、閉鎖。このことを知ったのは、“メディア・レボリューション”編集スタッフに名を連ねていた方ご自身のブログ記事。
 この方は、運営に直接関与はしていなかったようだが、「知る人ぞ知るジャーナリストが名を連ねていても継続できなかった。ネットジャーナリズムとは何か。改めて考えさせられる出来事である。」と書いておられる。(3)

 「紙メディアなら原稿料を稼げる有名ジャーナリストに、無償で寄稿するインセンティブが働かなかったのかもしれない」とのこと。  たいした内容ではなかったということか。

 しかし、部外者から見ると、正直のところ、何を期待して始めたブログかさっぱりわからなかった。
 多数の人々が注視するブログを作って、どうしたいのか、その「志」が見えないのである。
 質は低く、時としてあきれるような間違いがある記者ブログの方が、記者の実像が見えるから、余程魅力があるということ。ただ、価値があるかと言えば、なんとも言い難いが。

 小生にしても、“メディア・レボリューション”は「休止についての挨拶」まで一度も見たことがない。
 そんな人も少なくないのではなかろうか。
 そう思うのは、個人プログで開始の話が掲載された際に、コメント欄に辛辣な批判が登場し、これが的を得ていたのである。

 「ジャーナリストという職業が 長い歴史の中でやっと本当に独立独歩で生きていけそうな時代なのに、頭は旧い紙の時代のままの方が多い。ブンヤ社員根性がぬけないのだろうか。」
 「というわけで群れないでゆっくりと書いてもらったほうが読者としては嬉しい。」(4)

 全く同感。

〜 NewYorkTimesのOpinion欄構成 〜
Editorials
 THE BOARD BLOG
The Public Editor
Letters
Multimedia
N.Y./Region Opinions


Columnists
Op-Ed Contributors
Op-Extra
 Blogs
 Columns
 More Editorials
 More Op-Eds

TODAY'S HIGHLIGHT
購読宣伝
Eメール登録
企画(techPresident)
Freakonomics
Op-Cast
MOST POPULAR - OPINION
他の欄の宣伝
 ちなみに、NewYorkTimesのOpinionページ(5)を見ると日本との違いが歴然とする。
 記者のブログ等(6)は前からだが、驚くことに外部のブログ“Freakonomics”(7)まで導入しているのだ。

 経緯は知らぬが、コレ、300万部のベストセラーになった同名書(副題“A Rogue Economist Explores the Hidden Side of Everything”)の著者ブログ。
 質が高いし、コラムニストより面白かろうということだろうか。

 おそらく、日本ではこのようなブログは成り立つまい。切り口が鮮やかな言論には、必ず、極めて悪質な嫌がらせが集中的に発生するからである。コメント欄には読むに絶えない文字が氾濫するのは見えている。
 実は、こんな状態が続くのは、日本の新聞自体がそんな風土を許す体質だからである。なにせ、記事は無署名。文章の主語を曖昧にし、心理描写で標的を痛めつけることができれば“大成果”と考えているとしか思えない記事を連発するのである。
 ジャーナリストが変身しようとしない限り、いつまでもこの状態が続く。

 下手をすると、日本のブログは、質が低いまま、感情的発言の大合唱が続くことになりかねまい。

 --- 参照 ---
(1) http://blogs.yahoo.co.jp/blognews2005/52161487.html
(2) http://www.technorati.com/about/
(3) 「2007-11-03 メディア・レボリューション閉鎖」 junhara's blog  http://jun.typepad.jp/junhara/2007/11/post_5e83.html
(4) がんばらない氏の[2005/09/27]コメント---「2005-09-24 新blog メディア・レボリューション」junhara's blog
  http://jun.typepad.jp/junhara/2005/09/post_bb9b.html
(5) http://www.nytimes.com/pages/opinion/index.html
(6) http://www.nytimes.com/ref/topnews/blog-index.html
(7) http://freakonomics.blogs.nytimes.com/
(BLOGのカット) (C) hika 「ソザイヤPOMO」 http://pomo.vis.ne.jp/


 メディア業界の目次へ>>>     トップ頁へ>>>
 
    (C) 1999-2007 RandDManagement.com