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2009.1.8 |
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日本の新聞は大変身する気があるだろうか…
新聞は高齢者用メディアとなっていくということ。 新聞ビジネス危機という人もいるが、日本の場合は、お金を持つ高齢者がいるから、このお客さん相手に堅実な商売を続けることができそうだ。もともと、高齢者には画面より印刷された文字の方が読み易いし、新聞配達制度が続く限り、ディスプレー技術がもう一皮剥けない限り、新聞購読を止めることはないだろう。それに、3大特典もある。 ・大見出しを見ておけば、世間で話題になっていることがわかり便利だ。 ・家庭人にとって、折込チラシの地域情報は不可欠である。 ・テレビ放送に浸る層にとっては、見易い毎日の番組表は有難い。 おそらく、生き残るためには、内容は相当変わってくるだろう。その時、名目だけで、中は違うようなメディアにだけはなって欲しくないが、それはないものねだりかも。 なにせスポーツ紙など、どう見たところで競馬・競輪情報提供メディアだし、夕刊タブロイド紙はアダルト用だ。まあ、それはそれで、一つのセグメントだからどうということはないが、それなら独立専門紙にして欲しいものだ。 サッカー新聞やマラソン新聞など百花繚乱にして市場再興でも図ろうという挑戦者が出て欲しいところだ。政局の話が好きな読者が多いなら、与党内政争新聞でも出したらよさそうなものだ。 そんなことが気になるのは、立場を曖昧にして報道することを追求し過ぎる体質が気になるからである。偏見や、間違いの発生は致しかたないが、恣意的な報道を避ける仕組みができていないように見えるからだ。こんなことを続けていると、見捨てられる日がくるかも。 そう思うのは、海外紙と比べると、かなり違っている感じがするから。 ・幹部が政府機関で公的任務を負っていることを、余り語らない。 (政治からの独立性は極めて薄い。) ・記者クラブ制度を活用した、全社横並び型報道を重視している。 (公的機関からの垂れ流し情報と独自情報の区別ができていない。) ・リリース情報を優先的に流せる地位に甘んじている。 (サイトへの掲載を怠ったり、新聞より遅れて発表するような慣習を容認している。) ・通信社や他社の転載を一部だけに限ることが多い。 (短くしたり、肝心な部分を捨象し、記事の印象を変えていることが少なくない。) ・反対の主張を引用する習慣を欠く。 (批判者の考え方を同時に掲載しないので、一方的で情緒的な内容が多い。) ・今までの経緯を書かないスタイルを記事の基本型としている。 (書き手が一本の記事に力をこめることは皆無に近いのでは。) ・無署名記事ばかり。 (記者Blogに消極的というより、書くことが無い記者が多いのかも。) そのうち、公的発表媒体として新聞を使わなくてもよくなるし、リリース類は専門報道組織が担当するようになるだろう。企業や公的機関は、情報はウエブに即時掲載しないと非公正との批判を浴びることになろう。 そうなった時、どのような価値を与えることができるか考えるべきではないか。 それに、ニュースの読み方が大きく変わりつつあるのは間違いない。 インターネットの欠点は、ベタ記事読みが難しかった点にあるが、Googleニュースがそれができるレベルに近づいてきたからだ。しかも、世界各国版があるから、言語の問題さえなければ、結構よくわかるようになった。それに、通信社のウエブも充実してきたから、新聞紙情報よりよくわかる。 ウエブ情報以下の内容しか書けない特派員記事を眺めた後に、外信の高官インタビュー記事を読んだりすると、その質の差に愕然となる。 今のままなら、日本の大新聞を読んでいると時代感覚がつかめなくなると言われかねないのではないか。 --- 参照 --- (1) “Internet Overtakes Newspapers As News Source” Pew Research Center [2008.12.23] http://people-press.org/reports/pdf/479.pdf (2) “『新聞の購読』に関するアンケート” インターワイヤード DIMSDRIVE [2008.12.3] http://www.dims.ne.jp/timelyresearch/2008/081203/ メディア業界の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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