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2009.1.22 |
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インフルエンザ記事を読んで感じたこと…ウエブ掲載の日本の新聞記事を眺めていて、ふと気にかかったことがあったので書き留めておくことにした。おことわりしておくが、たいした話ではない。 日本では、一つのブログに集って大騒ぎする体質が濃厚と言われている。 生産的な議論をしたい訳ではなく、ともかく互いに反応し合うことに価値を見出している人が多いため、どこかの有名ブログに“群れる”らしい。読むに耐えない投稿で埋め尽くされることも少なくないそうだ。 これがひどくなると、ブラックメールまがいのものまで送られると聞く。 これでは、たまったものではない。 小生は、ブログは行っていないから、実情はわからぬが、一日中、知り合いにケータイメールを打ち続ける若者だらけの社会だから、ブログに“群れ”が集まるのは自然な流れと言えよう。 要するに、目立ちたい一心のブログ発信者がいて、そこに“群れたい”大勢が合流しただけのこと。 ただ、あまりにひどい状況らしいから、気にはなっていた。 それが、ウエブの新聞記事を眺めていて、そうなる理由がわかった気がしてきたのである。 そんなことを言うと、政治の話と誤解するかも知れないが、そうではない。東京都町田市のサナトリウム病院で発生したインフルエンザの集団感染の報道でのこと。 入院患者が死亡するという事件であり、患者やその家族の驚きはいくばかりか。とんでもない話だ。 どうなっているのかと思い、これに関する記事をざっと眺めたのだが、残念ながら、どれも似たりよったり。知りたいことは何も書かれていなかった。 ただ、読んでいると、なんとはなしに、“集団発生させるなどけしからん。管理のどこが悪かったのか早く明らかにせよ。”という気分にはなった。 まあ、それはそうなのだが。 ここで、はたと気付いた。 記事が、こんな書き方になっているのは、“杜撰な管理の医療機関”という見方に跳びつき、ただただ“群れて”いるからではないかと。 ブログの“群れ”現象の相似形に映ったのである。 報道機関がこれではこまる。 そんな体質と見なされれば、報道は素人にまかせて結構との、危険な話になりかねないからだ。 別に報道関係者に難しい要求をしている訳ではない。群れずに、記者個人として、現実を直視し、記事にしてくれるだけでよいのだ。 どうしてそんなことを言いたくなったのか簡単に説明しておこう。 ともかく、どれを読んでも、以下に記載したような、知りたいことが全くわからかったのである。(但し、ウエブ記事しか見ていないから、新聞紙には記載されているかも知れぬが。) 簡単に取材できそうなことだから、記者はこんなことはどうでもよいと見なしたとしか思えまい。 ・病院なのだから、無理な人を除けば、全員予防接種済みではないの? ---普通なら9割接種になろうが、どの程度なの? ---きちんとした予防注射をしたのだろうね? ・罹患者数がずいぶん多いけど、ほとんどが予防接種した人達なの? ---予防接種とは違うインフルエンザの型に罹患したということ? ---巷で流行っているインフルエンザに対して、今年の予防注射は効かないの? ・どうして、インフルエンザの型をすぐに発表できないの? ---何時検査を実施したの? ---隠したのか、杜撰な検査なのか、時間がかかっている、のどれ? ・タミフルを投与したとの報道があるけど、インフルエンザと判定した根拠は? ---検査もせずに投与したの? ---時間がたてば効かないことが知られているが、何時投与したの? 参考までに、記事情報をお伝えしておくと、東京都が感染型を発表したのは20日のこと。 そして、「今後の発生がゼロということは難しいが、有症者は確実に減っているのでピークを過ぎたと考えている」と語ったのはその前夜。(1) どうしてこんなことが気にかかるのかは、おわかりになると思うが一応触れておこう。・・・鳥インフルエンザの脅威は、理論上の話ではなく、現実だからだ。(春節前だというのに、中国からヒト感染ニュースが伝わっていることを知らぬ人はいまい。) ウイルス侵入防止努力は重要だが、いくら頑張ったところで、防ぐのは無理。従って、蔓延を抑える仕組みを作ることの方が重要である。もし、この防御体制に欠陥でもあれば、大惨事に至る。それこそ、死者数十万人は杞憂の世界とは思えないのである。 そんな感覚で考えているのに、記事は、湿度管理が悪かったとか、ウイルスを持ちこんだのは誰かという推測話ばかり。 思わず、“群れ”ないで欲しいと思ったのである。 --- 参照 --- (1) “町田のインフルエンザ集団感染:「ピークは過ぎた」 都が改めて表明/東京” [毎日新聞 2009年1月20日 地方版] メディア業界の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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