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2009.7.6 |
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Web Publishingはどうなるのか…“ようやく”と言ってよいのかわからぬが、AOLが、“Web Publishing”を本格化させたようだ。“MediaGlow keeps over 70 Million people engaged by delivering best-in-class interactive experiences.”(1)分野は、“gaming, style, finance, celebrities, sports, technology, latin culture, breaking news, or music”といったところ。 “Time Inc. will begin to publish On, a magazine about life on the Internet.”(2)と見られていた訳だが。 今では注目度が低下したAOLだが、創成期は時代の寵児。その栄光復活を賭け、既存出版業の雄であるTime Warnerと一緒になったのだろうが、まあ、鳴かず飛ばずといった感じが続いた。 ようやく、ここにきて、ふん切りがついたようだ。おそらく、特定分野に特化したブログに人々が集まる動きを見て、今がチャンスと踏んだのだろう。 なんと言っても、特徴的なのは、Timeが抱える既存の有名雑誌を全く組み込んでいない点。 ただ、これを傍から見れば、ニッチサイトを集めただけの試みに映る。だが、インターネットの広告ビジネスで考えれば、悪くない考え方。 “Instead of having a handful of front doors, we're creating dozens if not hundreds of front doors that are more relevant to advertisers”(3) 本来、これこそが、インターネットの強みを生かす手。 内容を一般向けにしなければ、少数の閲覧者の満足度は極めて高くなる。この人達にターゲットを絞った高効率な広告事業も加えれば、高収益化の可能性大。もちろん、理屈にすぎないが。 ともあれ、一つ一つは、小さなビジネスだが、それを集めれば大きなビジネスになるという発想である。 ITを活用した商品ビジネスでも、同じようなやり方のビジネス展開での成功例は数々ある。しかし、多くの場合は、上手くいかないと言われている。その理由は、マインドセットを解き放てないことにあると見られている。細かな商品を増やせばコスト増で儲からなくなるという見方を捨てられないのだ。 細かな市場を寄せ集めることで優位性を発揮しようとしているのに、どうしても、すべてを一括して、規模の経済のメリットを追求しようと考えるため、顧客満足度が落ちるのである。 この“Web Publishing”がどこまでいくかは、サイトの内容次第だと思うが、鍵を握るのは、政治や経済といった分野での展開ではないか。 プロのジャーナリストを集め始めているようだから、どうなるか。マネジメントもさることながら、プロがどれだけ本気になれるかで勝負がつくのではなかろうか。 “AOL has hired more than 50 journalists from places such as the Associated Press, Washington Post and USA Today.”(4) 本物の熱意が伝われば、一級の読者が自然に集まるものである。小さくても、核さえできれば、あとは展開次第。 --- 参照 --- (1) MediaGlow http://www.mediaglow.com/ (2) “Time to Publish Magazine About Web” NewYorkTimes-Technology http://www.nytimes.com/2001/01/09/technology/09MAG.html (3) BRIAN STELTER: “Quietly, AOL Becomes an Overseer of Niche Sites ” NewYorkTimes [January 11, 2009] http://www.nytimes.com/2009/01/12/business/media/12aol.html (4) Michael Learmonth: “AOL Is Winning The Web Publishing Game--Without Time Warner” CNN-Silicon Alley Insider [June 29, 2009] http://money.cnn.com/news/newsfeeds/siliconalley/media/aol_cracks_web_publishing_sans_time_warner_2009_6.html メディア業界の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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